[メイン] :  

[メイン] :  

[メイン] :  

[メイン] : 各々は、それぞれの生活を謳歌していただろう

[メイン] : しかし─────その生活に暗雲が1つ

[メイン] :  

[メイン] : 無作為に、あるいは作為的に集められた君達は白い部屋にて各々の姿を目の当たりにするだろう

[メイン] : また、体内に何かが仕掛けられている事にも気付くだろう

[メイン] : 部屋にモニターが一台、光りある映像が流れ出す

[メイン] : そう、『この島から抜け出そうとした者がどうなるか』

[メイン] : 末路は嘸かし悲惨なものだとそれは君達に彷彿とさせる光景であった事に間違いはない

[メイン] : そして、それぞれ衣服の一部分が光っている事に気が付きそれを手に取り読み上げるだろう

[メイン] : 『島の外から出ると死ぬ着脱不可の装置を付けられた君達は最後の1人になるまで返さない』

[メイン] : 『生き残ったものには神に等しき力を』

[メイン] : 読み上げが終わった瞬間、各々の体が光輝き────

[メイン] :  

[メイン] :  

[メイン] : 部屋から人気は消えた

[メイン] : 各々は島のどこかに強制的に転移された

[メイン] :

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[メイン] :

[メイン]   :

[メイン]   : 男は夢を人に託しました。

[メイン]   : 男は命を託し損ねました。

[メイン]   : 残った夢で見つめた世界は、望んだものではありませんでした。

[メイン]   : ━━Frederica Bernkastel

[メイン]   :

[メイン] 前原圭一 : ……どういう状況だよ。

[メイン] 前原圭一 : 俺は、今に至るまでの過去を思い返す。

[メイン] 前原圭一 : いつも通りの日常。
“ようやく”迎えた夏の日。

[メイン] 前原圭一 : ……また同じ場所で目を覚ますかと思ったら

[メイン] 前原圭一 : 目覚めた寝床は、白い部屋だった。

[メイン] 前原圭一 : 見渡すと周りには、見覚えのない人影が多く見えた。

[メイン] ルシード・グランセニック : 服の皺を伸ばしながら、周囲を見回している

[メイン] ルシード・グランセニック : 「……いや、何ここ。死ぬほど悪趣味な部屋だね」

[メイン] 犬飼伊介 : イライラした表情で髪先を指で回し。

[メイン] トビ : 「えっちょっとここどこっスか!?」
慌しく騒いでいる

[メイン] アスラン・ザラ : 「俺はなんでこんなところにいるんだろう… 」

[メイン] カンナ・カムイ : ぽふり。
無表情で椅子に座っていて。

[メイン] 犬飼伊介 : 「なぁにここ~?伊介のバカンスタイム台無しなんですけどぉ~?」

[メイン] 両儀式 : 「……ん、此処は」

[メイン] ルシード・グランセニック : 「なあ、そこの学生っぽい君」
圭一に向け、気軽に話を振る

[メイン] マクギリス・ファリド : すっと身体を起こす

[メイン] カンナ・カムイ : ……魔法?でも、こんな場所来たことないし…
それに感知もしなかった…むう。

[メイン] マクギリス・ファリド : 「……何だ、ここは」

[メイン] マリア : まるで死んでいるように、くたりと椅子に

[メイン] ルシード・グランセニック : 「これ、何かのドッキリかい?」

[メイン] 犬飼伊介 : ラベンダーの香水の匂いを纏わせながら、辺りにいる者達に目を配る。

[メイン] トビ : 「そんなぁ〜〜…先輩との残念な2人旅がぁ〜〜」
次は悲壮感を漂わせながら

[メイン] 前原圭一 : 突然話しかけられて、ビクッとする。

[メイン] マリア : しかし、喧騒に目を開けて

[メイン] 前原圭一 : 「え、俺ですか!?」

[メイン] 犬飼伊介 : 「……って、なぁにその仮面?プッ!面白すぎじゃない~?」
トビを見て。

[メイン] マクギリス・ファリド : 「まさか……また異世界に転移したのか?」

[メイン] カンナ・カムイ : 「おねーさんも知らないの?」
イライラした表情の伊助にも変わらず、とてとてと。

[メイン] ルシード・グランセニック : 「そーそ、他にも色々面白い格好の人いるけど、君が一番親しみがいあるしさ」

[メイン] トビ : 「ひっど〜〜いなぁ〜〜」

[メイン] 犬飼伊介 : 「……あ~ん?」
声の聞こえた方へ目線を動かす、そこには背の小さな少女。

[メイン] マリア : 「…悪夢にしては、些か知らぬ光景だな」
独りごちつつ、辺りを見て

[メイン] 前原圭一 : 「お、そ、そうですかね?」
親しみやすさには自信がある。
友達を作る上手さにも。

[メイン] カンナ・カムイ : それになんだか、色んな格好を着た人がある…
むむむ?パーティとか?

[メイン] 犬飼伊介 : 犬飼伊介は─────暗殺者である。
標的が誰であろうと、"身内"でなければ殺害することに躊躇しない。

[メイン] 犬飼伊介 : そう、例え─────"子ども"でも。

[メイン] マリア : 「狩人の行く先ではあるまい…これは」
見慣れぬ子ども、或いは着姿の者たちを見つつ

[メイン] 犬飼伊介 : 「なぁに~?伊介のこと、ママって思っちゃったのぉ~?」

[メイン] ルシード・グランセニック : 「そうそう、明らかに弱みがあるってタイプでさ。一緒にいて安心できる」

[メイン] 犬飼伊介 : 「伊介、まだママって年齢じゃないんだけどぉ~?ん~~?」

[メイン] 前原圭一 : 「よ、弱みっ!?はは、そ、そうかな……?」

[メイン] 犬飼伊介 : ジロジロと、角の生えた少女、カンナ・カムイを見つめる。

[メイン] ルシード・グランセニック : 「君、賄賂とか貰えたら貰っちゃうタイプだろ?いや、馬鹿にしてるとかはなくってさ」

[メイン] カンナ・カムイ : 「なんとなく話しかけただけ」

[メイン] ルシード・グランセニック : 「そういう、少し軽いくらいがいいんだよ うん」

[メイン] 犬飼伊介 : 獰猛な猛禽類のような目つきで。

[メイン] 両儀式 : 「……煩いな……」
少し不機嫌に首をかしげて

[メイン] マリア : 「…東洋人が多いな」
比較的だが、とも付け足しつつ

[メイン] 犬飼伊介 : 「……なんとなく……ちょっとぉ~?伊介~、子守りとか苦手なんですけどぉ~?」

[メイン] 犬飼伊介 : 「仮面のお兄さん~?ちょっとこの子、見てくれな~い?」

[メイン] 前原圭一 : 「わ、賄賂……」

「い、いやいや、男前原圭一、汚れた金なんて天に誓って……」

[メイン] 犬飼伊介 : トビに、カンナを押し付けようとする。

[メイン] カンナ・カムイ : 「それに、何だか慌ててないし。そこのおねーさんも一緒」
ちらりとマリアを見つつ

[メイン] カンナ・カムイ : 「むぅーん」

[メイン] トビ : 「え〜〜〜〜〜!!?いいっスよ〜〜!」

[メイン] マリア : 「…角」

[メイン] マリア : 「獣か?小娘」
立ち上がり

[メイン] ルシード・グランセニック : 「おっと、小銭が…」
五千円を落とす

[メイン] カンナ・カムイ : 頬を膨らませて押し寄せられ…

[メイン] カンナ・カムイ : 「けもの?」

[メイン] 犬飼伊介 : 「あ、あら……なんていうか、超素直ねぇ?」

[メイン] 前原圭一 : 「うおっ!?」
咄嗟に拾って

[メイン] マリア : 三角帽を被り、腰から一本の刀を構える

[メイン] カンナ・カムイ : 「ドラゴンだよ」
ふんす、と少し胸を張りつつ。

[メイン] 前原圭一 : 「い、いやこれは落としたものを拾ったのであって、流石に本人の前でネコババとかしませんから!!」

[メイン] 犬飼伊介 : 子どもを、怪しげな仮面を被る成人男性に押し付ける。
全く以って合理的な判断とは言い難いが、伊介にとっては深く、"どうでもいい"。

[メイン] マリア : 長刀の根元に短刀を逆さに付け足した、奇妙な一太刀

[メイン] カンナ・カムイ : 「んー…なんだか、嫌そうに見えちゃったけど…それとも、遊んでくれるの?」
犬飼へとじっと、見つつ

[メイン] 犬飼伊介 : 「って、あの子どももあっち行っちゃったしぃ……」
カンナとマリアを見つめながら。

[メイン] ルシード・グランセニック : 「ハッハッハ!うん、やっぱり君ってそういうやつか」
「いいね、適度に俗で」

[メイン] マリア : 「ドラゴン…幻想の獣を名乗るか」

[メイン] 犬飼伊介 : 「……あん?遊ぶ~~?」

[メイン] トビ : 「んーーーーー!!!?」

[メイン] カンナ・カムイ : 「……うぉぉ!」
その刀に、思わず1歩飛び、後ろに。

[メイン] トビ : 突然何かに気づいたように叫ぶ

[メイン] 犬飼伊介 : 「だから伊介~、子守りとか全っ然無理なんですけどぉ~~??」

[メイン] マリア : その名乗りに、一気に刃を振りかざそうとする前に

[メイン] マリア : 男の叫びに反応し、構えを解く

[メイン] マリア : 「何だ」

[メイン] 犬飼伊介 : 「………んがっ!?うっさいわねぇ!?何なのぉ!?」
トビの方を見て。

[メイン] アスラン・ザラ : 「ど、どうした!?」

[メイン] トビ : 「わあああああああ!!?身体に何か…何かがあああぁぁ!!?

[メイン] ルシード・グランセニック : 「うわっ!?な、なに!?金なら言い値で払うよ!?」

[メイン] 前原圭一 : 「えっ!?身体に何かって……」
咄嗟に自分の体を探る

[メイン] カンナ・カムイ : あ、あれは……竜殺しのための刀…?と、びくびくしている様子から、さらに縦に飛び跳ねる。

[メイン] カンナ・カムイ : 「体……」

[メイン] 犬飼伊介 : 「あん─────?」

[メイン] トビ : 男はコートを少しずらし、その胸元がわずかに点滅している

[メイン] マリア : 「…ん?」

[メイン] 犬飼伊介 : トビの体をじっと見て、"違和感"を抱く。

[メイン] 両儀式 : 「……これは」

[メイン] マリア : 身体…

[メイン] 犬飼伊介 : そこに感じたのは、明確な"殺意"。

[メイン] アスラン・ザラ : 「爆弾か……!?」

[メイン] 犬飼伊介 : そしてその反応は……己の身体にもあった。

[メイン] マリア : 胸元をチラリと見返せば

[メイン] カンナ・カムイ : そう言われ、何か異変を感じて。

[メイン] ルシード・グランセニック : 「…これは、なんだろう?」

[メイン] マリア : 確かに見慣れぬ違和

[メイン] マクギリス・ファリド : 「なるほど……」

[メイン] 犬飼伊介 : 「……あ~ら、勘が鋭いわねぇお兄さん、そうねぇ、これ、"そういう玩具"じゃない~?」
アスランの方を見て。

[メイン] カンナ・カムイ : 首を見れば、そこには”束縛”の証が、一つ。

[メイン] トビ : 「そ…それにあっちも!!」
と、ある方向を指差す

[メイン] 犬飼伊介 : 飄々とした態度でそう言うものの、伊介の額に冷や汗が伝う。

[メイン] マクギリス・ファリド : 「理由は分からんが私たちは、明確な敵意を持って監禁されているようだ」

[メイン] トビ : そこには一台のモニター
よく目を凝らさなければ見ることすらできないだろう

[メイン] 犬飼伊介 : チッ……何よこれ。
アタシをコケにするような真似……。

[メイン] アスラン・ザラ : 「モニタ……」

[メイン] 犬飼伊介 : ムカつくッ……!

[メイン] 犬飼伊介 : 「……あ~ん?」
トビの指差す方を見て。

[メイン] : そこに映し出されていたのは

[メイン] マリア : 「…全く、感心せんな」

[メイン] カンナ・カムイ : 「てきい……」
もしかして、竜を殺そうとする人間が……現れた…?
でも、他の人はそうじゃないような……

[メイン] マクギリス・ファリド : 「そして……その犯人の目的はあのモニターに映されていることだろう」

[メイン] : 延々と殺し合いを続ける人間達

[メイン] ルシード・グランセニック : 「まあ、あからさまだよね。いろいろと」

[メイン] カンナ・カムイ : そして、モニターへと視線が揺れる。

[メイン] 前原圭一 : 「えッ!?」

[メイン] : または、そこから抜け出そうとする人達も

[メイン] 犬飼伊介 : 「……ふぅ~ん……?」
映し出される、伊介にとっての─────"日常風景"。

[メイン] : 阿鼻叫喚の渦

[メイン] アスラン・ザラ : 「これは……」

[メイン] 犬飼伊介 : その映像に、目を細める。

[メイン] カンナ・カムイ : 「……むぁ」

[メイン] : 殺し合いだけではない

[メイン] : 逃げ出したものも、等しく『死』

[メイン] マリア : 「囚われか…あいも変わらず」

[メイン] マクギリス・ファリド : カリカリと頬を掻いて

[メイン] : 戦いから抜け、島から出ようとしたものの絶叫が聞こえる

[メイン] マクギリス・ファリド : 「悪趣味だな」

[メイン] 犬飼伊介 : ……見る限り……"プロ"も、素人も混ざった、本物の殺し合いねぇ……?

[メイン] カンナ・カムイ : ”竜”であれば、何度も見た光景。
人が人を殺し合う、それすなわち────

[メイン] 両儀式 : 死……か

[メイン] : その映像が、淡々とリピートされている

[メイン] ルシード・グランセニック : 「うへぇ……」

[メイン] カンナ・カムイ : ────戦争が。

[メイン] トビ : 「お…おっかねぇ〜〜〜〜」

[メイン] 犬飼伊介 : 「なぁにこれ~?こんなの見せられてもポップコーンも進まないんですけどぉ~?」

[メイン] マリア : 「……悪夢もまた悪夢に続く、か」

[メイン] ルシード・グランセニック : 「……そろそろ黒幕とかが、変な哲学とか言いながらあのモニターに映りそうだね」

[メイン] カンナ・カムイ : ただ、それにもかかわらず。
カンナは、目線をモニターから少しずらした。

[メイン] アスラン・ザラ : 「……わざわざ閉じ込めて、こんなスナッフビデオを見せるだけなわけもないだろう」

[メイン] マリア : 「役目を終えても…いやはや」

[メイン] 犬飼伊介 : 「なぁに?死は救済だ~?とかぁ?」
ルシードの方を向いて。

[メイン] 前原圭一 : 惨劇。
血の散る音。
何処か遠い記憶で見たことがある気のする……

[メイン] カンナ・カムイ : 「む、ぅう……」
……そこに渦巻く、喧騒は心に響かせる。

[メイン] ルシード・グランセニック : はあ、やだやだ…

[メイン] 犬飼伊介 : 「伊介そういうの、よくわかんな~い」

[メイン] トビ : 「うえーーー神様仏様仙人様ー!まだ死にたくねーースよ!!」

[メイン] 犬飼伊介 : カンナの方をチラリと見る。

[メイン] ルシード・グランセニック : こんな窮地からの脱出なんて、英雄か何かの仕事だろう?何でこんな凡俗に、嫌な役目を回すかなぁ…

[メイン] アスラン・ザラ : 「そうだな、オレは人のエゴで作られた寿命の短いクローンだから世界のすべてを裁く権利がある、とかかもしれないぞ?」

[メイン] 犬飼伊介 : ふぅ~ん、子どもに、こういう"本物"の映像見せるだなんて、ねぇ……?

[メイン] ルシード・グランセニック : 「ま、そんな具合じゃないかな?」

[メイン] 犬飼伊介 : まぁ伊介は、どうだっていいと言えばいいんだけどぉ~。

[メイン] ルシード・グランセニック : 伊助に対して呆れ気味に返答を返す

[メイン] マリア : 「或いは、血に酔った末の酔狂かもな」

[メイン] カンナ・カムイ : 「……これは、映画じゃない…の?」

[メイン] 両儀式 : 「女々しい話だ」

[メイン] 犬飼伊介 : そう思いながら、カンナの視界を少し遮るように立つ。

[メイン] 犬飼伊介 : 「え~?映画だと思っちゃったのぉ~?」
後ろを少し向き、カンナの方を見て。

[メイン] 犬飼伊介 : 「これ─────」

[メイン] ルシード・グランセニック : 「まあ、映画かもね、本物だって証拠は──」

[メイン] マリア : 「存外甘いものだな」
その様子を見つつ

[メイン] ルシード・グランセニック : カンナを見て、硬直する

[メイン] 犬飼伊介 :
     ・・
「─────本物、よ❤」

[メイン] 前原圭一 : と、そこで。
何かに脚を滑らせて、転びこむ。

[メイン] ルシード・グランセニック : そして、すごい勢いで伊助を押しのけ接近する

[メイン] 犬飼伊介 : こういうの、"見慣れてる"もの。

[メイン] 犬飼伊介 : カンナにウインクし、そう告げる。

[メイン] カンナ・カムイ : あ……見ないようにしてくれた、のかな……
……ちょっと、嬉しいかも…

[メイン] ルシード・グランセニック : 「やあ、素敵なお嬢さん。お名前は?僕は君の愛の奴隷さ」

[メイン] アスラン・ザラ : 「おい、デリカシーが足りなくはないか?」

[メイン] カンナ・カムイ : 「……あ、ぅ、む……」

[メイン] マクギリス・ファリド : 「おやおや……」

[メイン] トビ : 「ちょっとちょっと!!?」
転びこむ圭一を見て

[メイン] マクギリス・ファリド : 「気分を落ち着かせよう。チョコレートがある。食べるかね?」

[メイン] 犬飼伊介 : 「痛ったッ……!?ちょ、何すんだテメ……… ………あ……?」

[メイン] マリア : 「…感心せんな」

[メイン] 犬飼伊介 : ルシードがカンナへ求愛している様子を見て。

[メイン] 前原圭一 : 「痛てて……」

[メイン] 犬飼伊介 : ドン引きする。

[メイン] 犬飼伊介 : 「……え~~~~……?お兄さん、そういう~~……?」

[メイン] カンナ・カムイ : ”本物”。
それは、わかっていてもやっぱり……

[メイン] カンナ・カムイ : 「えっ?」

[メイン] ルシード・グランセニック : 「この裂帛した空気中、君はまさしく世界を癒す天女だろう。何と愛おしい声だろうか…」

[メイン] カンナ・カムイ : 「????????」

[メイン] 両儀式 : 「きも」

[メイン] マリア : 先程斬ろうとしてたとはいえ…流石にこれを見て狩るには気も乗らん

[メイン] ルシード・グランセニック : 周囲の反応もお構いなしに、カンナへ向かい愛の言葉を向けている

[メイン] 犬飼伊介 : 「キッショ❤」
堂々と吐き捨てる。

[メイン] マリア : 「それより…」

[メイン] トビ : 「うへ〜〜初めてみたッスよ」

[メイン] マクギリス・ファリド : 「感心しないな、幼女趣味は」

[メイン] カンナ・カムイ : 子どもだからこそ、その言葉の意味も今一掴み取れていない。
無表情が少し、困っている顔に変化し、辺りを見回すが……。

[メイン] マリア : 「何か落ちてでもいたか?或いはただの鈍臭いだけか?」
転けた男を見る

[メイン] 前原圭一 : 「……これ、何だ?」

[メイン] 犬飼伊介 : 変態野郎は放っておいてっと……。

[メイン] 前原圭一 : と、落ちていた紙を拾い上げる

[メイン] カンナ・カムイ : 「…何か……あったの……?」
圭一へと、声をかけて。

[メイン] 犬飼伊介 : 圭一の方をチラリと見る。

[メイン] マリア : 「紙、か」

[メイン] 前原圭一 : 「これは……」

[メイン] カンナ・カムイ : たったと近づき、好奇心のままに紙を後ろから覗き込む。
……むう、読めない。

[メイン] トビ : 「何何なんてーー?」

[メイン] ルシード・グランセニック : 「な、羨ましい!」

[メイン] トビ : 圭一の方を見ながら読むのを催促させる

[メイン] ルシード・グランセニック : 「なあ、良い値で買うから、僕にそれを読ませてくれないかな!?」

[メイン] アスラン・ザラ : 「お?」
皆の注目が集まっている方向に視線を向ける

[メイン] ルシード・グランセニック : 必死の形相で圭一を拝んでいる

[メイン] マリア : 「騒がしい」
ルシードに刀を向ける

[メイン] 前原圭一 : 「……何?……なんだと……」

[メイン] マリア : 「頭に響く…悪夢の中に色狂いなど趣味が悪いにも程がある」

[メイン] 前原圭一 : 「ふ、ふざけてるのか……!!」
そこに書いてあった事を読んで、紙の端をギリギリと握りしめる

[メイン] ルシード・グランセニック : 「……いや、どうしたんだよ学生くん」

[メイン] マリア : 「…?」

[メイン] ルシード・グランセニック : 「アレかい?君の黒歴史が書いてあるとか?」

[メイン] マクギリス・ファリド : 「……大方の予想はつく」

[メイン] マリア : 随分な様子だ、と思いつつ

[メイン] ルシード・グランセニック : 覗き込む

[メイン] カンナ・カムイ : 「むぅぅ…?」
必死の形相をするルシードに、困惑の顔が少し恐怖へと成りつつ。

[メイン] 前原圭一 : 「……」

[メイン] 犬飼伊介 : 「……なぁるほどね~、ふぅ~ん?」
圭一の表情を見て。

[メイン] マクギリス・ファリド : 「当ててやろうか、少年」

[メイン] ルシード・グランセニック : 「────」

[メイン] 前原圭一 : 「!」
金髪の男の方を振り向いて……

[メイン] カンナ・カムイ : 「……え、ううん…?」
周りの人が、わかっているような顔つきで、取り残されたようで焦る。

[メイン] マクギリス・ファリド : 「……先の映像のようなことをやれ、だろう?」

[メイン] 前原圭一 : 「……そうです。……正確には……」

[メイン] 犬飼伊介 : ふ~~~ん?
この金髪の男も、よく"分かってる"じゃない。

[メイン] 前原圭一 : 「『最後の一人になるまで帰さない』……!!」

[メイン] カンナ・カムイ : 「………!」

[メイン] ルシード・グランセニック : 「……」

[メイン] マクギリス・ファリド : 「やはりか」

[メイン] トビ : 「うええ〜〜〜!!?」

[メイン] マリア : 「…そうか」

[メイン] 犬飼伊介 : 「へぇ~~~……?」

[メイン] 両儀式 : 「殺しあえってか?」

[メイン] マリア : 「酔狂なものだ」

[メイン] マリア : 「…だろうな」

[メイン] カンナ・カムイ : あの女の人が『本物』だと言われていた事を…この中の人たちで…やる…

[メイン] アスラン・ザラ : 「……何?」

[メイン] ルシード・グランセニック : 「まいったね……」

[メイン] マリア : 「殺し合い、最後の一人…以下にも血に酔った選択だ」

[メイン] 犬飼伊介 : 素人が混ざってはいるものの……確実に、この場には、アタシ以外にも、"プロの殺し屋"が、多くいる。

[メイン] カンナ・カムイ : 「それは……じゃあ」

[メイン] マリア : 「尤も、獣以下ですらある考えだが…いいや?いっそそういう儀式的ですらある」

[メイン] ルシード・グランセニック : 「……はぁ、なあ、学生くん。さっき言った通りだ。その紙買わせてくれ」

[メイン] 犬飼伊介 : 超厄介なことに巻き込まれちゃったわねぇ~、ほ~~~んと。

[メイン] カンナ・カムイ : 「……必ずしなきゃ、ならないの…?」

[メイン] ルシード・グランセニック : 「ちょっとストレス発散するから」

[メイン] マリア : 呆れも混じりつつ、そんな事態を考え

[メイン] トビ : 「でも何の目的もなく集めるとかあります?」

[メイン] 両儀式 : 「……別に殺しあうのはいいが、どんな方法でやるんだ?いっそこの場で始めよう」

[メイン] マリア : 「そうさな…」

[メイン] 両儀式 : 「俺なら数分で終わらせられる」

[メイン] トビ : 「その報酬ってのがあるんじゃないですかーー?」

[メイン] 犬飼伊介 : 「あぁら、勇ましいわねぇ?ま、伊介もその方が手っ取り早いって思うけどねぇ?」
両儀式の方を見て、ニヤリと笑い。

[メイン] ルシード・グランセニック : 「……いや、マジ?」

[メイン] マリア : 「…ふぅ」

[メイン] マクギリス・ファリド : 「血の気の多い御嬢さんがいるようだね」

[メイン] マリア : 「その仮面の言うとおりだ」

[メイン] 犬飼伊介 : 「あぁら、報酬なんてものもあるの?」

[メイン] マリア : 「目的も知る前に死にたがるとは、それこそ酔狂だろう」

[メイン] カンナ・カムイ : 「……なんで、飲み込めてるの…?」
ちらりと、儀式と犬飼を見つつ。

[メイン] 前原圭一 : 「報酬……報酬……」
紙に目を通して

[メイン] ルシード・グランセニック : 「そーそ、何が起こるかもわかんないのに…」

[メイン] マリア : 「貴殿らは自身の死ぬ理由が無為で良いほどに空虚なようだな?」

[メイン] 犬飼伊介 : 「ふぅ~ん……?」
マリアをじっと見て、また目を細める。
随分と、落ち着いた態度。 この女も、慣れた人間、ってとこかしらぁ?

[メイン] ルシード・グランセニック : 「ああ、そういえば……裏に書いてあったよ。学生君」

[メイン] トビ : 「金銀財宝とかーー!?はたまた権力とかーーー!!?!?」

[メイン] マリア : 「…酔狂なものさね」
呆れを混ざれさせつつ

[メイン] 前原圭一 : 「……『もしも戦いを繰り広げ、生き残った者には「神に等しい力」を与えられる』……!?」

[メイン] マクギリス・ファリド : 「……力」

[メイン] マリア : 「…"神"」

[メイン] ルシード・グランセニック : 「……“生き残り”ねぇ」

[メイン] マリア : 「神か、神を準えたか」

[メイン] トビ : 「今さっき神頼みしたンスけど神に!!?」

[メイン] ルシード・グランセニック : 「学生君……そーいえば、こう呼ぶのも煩わしいね」

[メイン] カンナ・カムイ : 「……か、み…」

[メイン] マリア : 「愚かだな、或いは何処までも無知なのか」

[メイン] ルシード・グランセニック : 「僕はルシード、君はなんて名前なんだい?」

[メイン] アスラン・ザラ : 「……」
周りの人ごみに押されて、声はあまり聞こえない。姿も見えない。要点だけは理解する。

[メイン] 犬飼伊介 : マリアの挑発を耳にしながらも、報酬内容も頭に入れ。

[メイン] カンナ・カムイ : …神、神……
今もなお、龍たちが戦い続けているあの神と同義なら……

[メイン] 前原圭一 : 「……前原圭一」

[メイン] マリア : 「…まぁ、いい」

[メイン] 犬飼伊介 : 「ふぅ~ん?"なんでも"叶えてくれるのねぇ~?それなら─────殺し合うには相応しい理由なんじゃな~い?」
マリアを見て。

[メイン] マリア : 「いいや」

[メイン] カンナ・カムイ : ……それが手に入れば、"認めてもらえる"かもしれない…?

[メイン] 犬飼伊介 : 「自分の"夢"のために戦うなんて、誰もがやってることでしょ~?」

[メイン] 両儀式 : 「くだらないな」

[メイン] マリア : 「…狩人の"夢"なぞ」

[メイン] ルシード・グランセニック : 「ん、東洋人らしい名前だね……じゃあ、ケーイチって呼ぶよ」

[メイン] 両儀式 : 「神になるなんて幼稚な御伽噺だ」

[メイン] マリア : 「永遠の悪夢さ、これもまた……」

[メイン] : ────一同が話し合っていたその時

[メイン] ルシード・グランセニック : 「もう、他には何も書いてないのかい?ケーイチ」

[メイン] アスラン・ザラ : 「……殺し合い?」

[メイン] 前原圭一 : 「……他には」

[メイン] : 全員の装置が淡く光る

[メイン] マリア : 「夜の終わりまでの戯言よな…」
顔を伏せて

[メイン] カンナ・カムイ : 「……悪夢」
マリアのその言葉を、繰り返したその時。

[メイン] 前原圭一 : 「!?」

[メイン] ルシード・グランセニック : 「……はぁ、時間切れみたいだね」

[メイン] カンナ・カムイ : 「爆発…する…!?」
慌てて、首元に手をかけようと。

[メイン] 前原圭一 : 「……チッ、もう始まるってことかよ!?」

[メイン] 犬飼伊介 : 「あらあらぁ、殺し合いの是非を問うことすらもさせてくれないみたいよぉ~?」

[メイン] : それぞれの身体が、程度の差こそあれど薄く光る

[メイン] ルシード・グランセニック : 「報酬の保証もないのに、殺し合い始める……とかは遠慮して欲しいんだけどね」

[メイン] 前原圭一 : 「……始まる、始まるって言ってもな」

[メイン] 前原圭一 : 「始まったら必ず終わりはあるんだぜ!!」

[メイン] ルシード・グランセニック : 「……なんだ、良いこと言うじゃないか」

[メイン] 犬飼伊介 : 「………ふぅ~ん?終わり、ね……?」
圭一を見て。

[メイン] 前原圭一 : 「……それに……」

[メイン] カンナ・カムイ : 「じゃあ、その終わりは…どの時…?」
ちらり、と見つつ

[メイン] 前原圭一 : フラッシュバックする。絶望的な終わりを何個も乗り越えて、『あの子』が手に入れた俺たちのいる未来を。

[メイン] 前原圭一 : 「……終わりの形は、一つじゃない!!」

[メイン] マクギリス・ファリド : 「……強い目をしているな、少年」

[メイン] ルシード・グランセニック : ……要するに、いつかはわからないしバッドエンドの可能性もあるってことかぁ

[メイン] 前原圭一 : 「なら掴もうぜ」

[メイン] 前原圭一 : 「最善の『終わり方』って奴!!」

[メイン] ルシード・グランセニック : 「……なんだ、君って結構積極的なんだな」

[メイン] 両儀式 : 「……終わり、ね」

[メイン] 犬飼伊介 : 「ふふ、ふふふ……!!なぁにそれ……面白いじゃない~!『最善』で終わらせるのぉ~?ふぅ~ん?貴方が~?」
この中で唯一と言ってもいいだろう、一般人の男─────圭一を見つめ。

[メイン] カンナ・カムイ : 「……最善の終わり」
ぽつりとつぶやいて。
……それは……誰にとって、なんだろう……。
…でも、わからないけど……いい言葉、な気がする…

[メイン] ルシード・グランセニック : ルシードの周囲を覆う光が強くなり、転送の兆しを強く知らせる

[メイン] 犬飼伊介 : ま、アタシにとっての『最善』なんて─────。

[メイン] ルシード・グランセニック : 「……僕はそろそろみたいだ」

[メイン] ルシード・グランセニック : 「またね、ケーイチ。バトルに巻き込まれて死亡とかはやめときなよ?」

[メイン] 犬飼伊介 : ─────『家族』の平穏、ただそれだけなんだけどねぇ?
アタシ、身内以外は超、超超超どうでもいいんだけど~。
でも─────この男の子が言う『最善』が、ど~んな形なのかは……やっぱり、気になっちゃうわよねぇ~?

[メイン] トビ : 「………」
それらを聞き、少しだけ無言になる

[メイン] 前原圭一 : 「……ああ、勿論だ」

[メイン] 前原圭一 : 「『もう』死ねないからな……!」

[メイン] 犬飼伊介 : 「それじゃあ、各々の『最善』目指して頑張りましょう~?またね~~」
ニコニコと手を振り、そして伊介は光に包まれる。

[メイン] ルシード・グランセニック : 「……奇遇だね」

[メイン] ルシード・グランセニック : 「僕もだよ、“もう”死ねないのは」
残光を残し、転送される

[メイン] カンナ・カムイ : 「……私だって、頑張ってみせるんだ……」
俯いて、誰に言うでもなく呟いて。
そのまま光に包まれていく。

[メイン] マクギリス・ファリド : 「……意思の強い子だな……いい目だ」

[メイン] マクギリス・ファリド : と、光の中に消えていき

[メイン] 両儀式 : 「……」
それを聞いていなかったように無言で消えていく

[メイン] アスラン・ザラ : 周りが消えていく中。
ようやく人ごみが消え、その姿が見える。

[メイン] アスラン・ザラ : 「……キラ……?」

[メイン] トビ : ───そして、男もまた

[メイン] 前原圭一 : 上手く見えなかった残りの一人が、ようやく視界に入る。

[メイン] 前原圭一 : 「アスラン……?」

[メイン] トビ : 光り輝きつつも

[メイン] トビ : 光に消える前に右眼を起点とし消える

[メイン] アスラン・ザラ : あの声、あの髪。間違えるはずが……

[メイン] 前原圭一 : あの村に越してくる前。
都会の小学でよくしてくれたっけ。

[メイン] アスラン・ザラ : 「……!」

[メイン] アスラン・ザラ : 奇妙な消え方をするトビを視界の端に入れて

[メイン] アスラン・ザラ : 同じく、光の中へ

[メイン] 前原圭一 : ……思わぬ再会。
面を食らっているうちに、光へと消えて……

[メイン] 前原圭一 :

[メイン] 前原圭一 :

[メイン] 前原圭一 :

[メイン]   :

[メイン] トビ :  

[メイン] トビ :  

[メイン] トビ :  

[メイン] トビ : 渦を巻き、仮面の男が何処へと現れる

[メイン] トビ : 仮面の奥から窺える瞳の感情は

[メイン] トビ : 『嘲笑』

[メイン] トビ : 「ゼツ」

[メイン] ゼツ : 呼ばれ、身体全体が白い男が顔を出す
────『地中』から

[メイン] ゼツ : 「いやー殺し合う演技に死ぬ演技をしろってゼツ使いが荒いよね」

[メイン] トビ : 「そう言うな、奴らは信じ切った」

[メイン] トビ : そのまま、胸の装置を外す
本来なら外れないそれは、何故か簡単に取れる

[メイン] トビ : 「…あのガキ、最善の終わりと言ったな」

[メイン] トビ : 「最善など、『夢の世界』以外ないと言うのに」

[メイン] トビ : 左手を面の前に置き

[メイン] トビ : 男は姿を消した

[メイン] トビ :  

[メイン] トビ :  

[メイン] トビ :  

[メイン] 前原圭一 :

[メイン] 前原圭一 :

[メイン] 前原圭一 : と、ここまでがオレの過ごした、このふざけた島に送られるまでの経緯だ。

[メイン] 前原圭一 : 今は俺はその島の森の中、不安定な足場に苦戦しながら歩いているところで。

[メイン] 前原圭一 : 早く誰かと合流したい、そんな一心で。
……それと、ここに飛ばされる直前に見えた、旧友が本当にここにいるのか、それを確かめたくて……

[メイン] 前原圭一 : ……そんな中、いつの間にか鞄に違和感があることに気づく。

[メイン] 前原圭一 : それに気付いて鞄に手を突っ込むと、そこには

[メイン] 前原圭一 : 赤と白の、奇妙な形のボール

[メイン] 前原圭一 : 「なんだこれ……」

[メイン] 前原圭一 : 中心にはボタンのようなものがある。
押せば何か起こるのか?

[メイン] 前原圭一 : 興味本意で押してみた。

[メイン] レジギガス : ズッ……ズッ……!

[メイン] 前原圭一 : 次の瞬間、ボールからは赤い光が飛び出して、それが地面に弾けると同時に、大きな何かが現れる。

[メイン] 前原圭一 : 「う、うおわっ!?」

[メイン] 前原圭一 : 「な、ななな、何だお前!?」

[メイン] 前原圭一 : 突然現れた巨体に、尻餅をついて驚きの表情を浮かべる。

[メイン] レジギガス : ズッ……ズッ……!

[メイン] レジギガス : その巨人は、その巨大な手を、尻餅をついた圭一に優しく差し出してくる。

[メイン] 前原圭一 : 「お……え、お前……なんか、見た目によらず優しいんだな……」

[メイン] レジギガス : ズッ……ズッ……!

[メイン] レジギガス : 「私はレジギガスです アイアムナンバワンポケモンクリエイター」

[メイン] 前原圭一 : 「喋ったぁ!?」

[メイン] 前原圭一 : 解かれようとしていた警戒は、目の前の巨体が喋ったことで再度驚きに変わる

[メイン] レジギガス : 「落ち着きたまえ」

[メイン] 前原圭一 : 「すごく落ち着いた」

[メイン] 前原圭一 : 「そ、それで!お前なんなんだよ!」

[メイン] レジギガス : 「アイアムナンバワンポケモントレーナー。君の敵ではない」

[メイン] 前原圭一 : 「お、おう……」

[メイン] 前原圭一 : レジギガスと名乗ったそれに、困惑しながらも再度警戒を解く。
見かけにはよらず優しいようだし、意外とフランクみたいだ。

[メイン] 前原圭一 : 「じゃ、じゃあお前は一体……」

[メイン] レジギガス : 「君の武器ダ。この島に送られるにあたって、全員武器を支給されていル」

[メイン] 前原圭一 : 「武器……」

[メイン] 前原圭一 : どうやら、主催者のヤロウはその辺は万全みたいだ。
戦う力がないやつでも戦えるように、武器を配って……
ふざけてやがる……

[メイン] 前原圭一 : 「武器ってんなら、お前はいらないぜ。オレは戦うつもりはねえ。この戦いを終わらせる為に来たんだからよ」

[メイン] レジギガス : 「そうカ。立派な想いダ」

[メイン] レジギガス : 「……しかシ、想いだけで何が守れル?」

[メイン] 前原圭一 : 「……っ」
言葉が詰まる。

[メイン] レジギガス : 「想いだけでモ、力だけでも駄目だろウ」

[メイン] レジギガス : 「お前の往く道に私は不要カ?」

[メイン] 前原圭一 : 「……」

[メイン] 前原圭一 : 確かに。
いくら思いが集まっても、それを力に変える為の力がなければ、あの終わりは迎えられなかっただろう。

[メイン] 前原圭一 : ……なら……

[メイン] レジギガス : 「力を貸そウ。その為に来タ」

[メイン] 前原圭一 : 「……ああ、分かったぜ」

[メイン] 前原圭一 : 彼が出てきたボールを握りしめて、意思を再度固める

[メイン] 前原圭一 : 「殺し合いを止める為に戦わないといけないってんなら、お前の力、好き放題に使わせてもらうぜ!」

[メイン] レジギガス : 「いいだろウ」

[メイン] マクギリス・ファリド : ガサ、と音を鳴らして

[メイン] マクギリス・ファリド : 「おや」

[メイン] 前原圭一 : 「っ、だ、誰だっ!!」

[メイン] 前原圭一 : と、音が鳴った方向を見て

[メイン] マクギリス・ファリド : 「待ちたまえ私だ。圭一少年」
と、手で圭一を制して

[メイン] 前原圭一 : と、手を出してくる金髪の男を見て、安堵する。

[メイン] 前原圭一 : 「な、なんだ、アンタか」

[メイン] マクギリス・ファリド : 「私だ。大きな音がしたから来てみれば……」

[メイン] マクギリス・ファリド : 「なにこいつ」

[メイン] 前原圭一 : 「なんだろうね」

[メイン] レジギガス : ズッ……ズッ……!

[メイン] マクギリス・ファリド : 「……まあ、いい。ああそういえば、私の名を名乗っていなかった」

[メイン] 前原圭一 : 確かに、という顔をして

[メイン] マクギリス・ファリド : 「私の名は、マクギリス・ファリドだ」

[メイン] 前原圭一 : やっぱり、外人さんなのかという顔をして

[メイン] 前原圭一 : 「お、俺は前原圭一です!よろしくお願いします!」

[メイン] マクギリス・ファリド : 「聞いていたとも」

[メイン] 前原圭一 : 「そ、それでマクギリスさんは……」

[メイン] マクギリス・ファリド : 「君と同じだよ。無益な争いは止めるべきだ」

[メイン] 前原圭一 : 「よ、よかった……」
と、胸を撫で下ろして

[メイン] 前原圭一 : と、そこで思い直す。
この人も、武器を持ってるはずなんだよな。
それとなく、聞いてみるか。

[メイン] 前原圭一 : 「あの、マクギリスさん。ここに来る時にいつの間にか持ってたものとかありませんでした?」

[メイン] マクギリス・ファリド : 「ふむ……持っていたものか?」

[メイン] マクギリス・ファリド : 「これ」
と紙切れを取り出して

[メイン] 前原圭一 : 「なにそれ」

[メイン] マクギリス・ファリド : 「分からないだろう?」

[メイン] マクギリス・ファリド : 「私もわかんねぇ」

[メイン] 前原圭一 : 「えぇ……」

[メイン] 前原圭一 : と、困惑して

[メイン] マクギリス・ファリド : 「見ろ少年。このように床に置くと勝手に動くんだ」

[メイン] マクギリス・ファリド : と、ビブルカードが動くところを見せる

[メイン] 前原圭一 : 「それがどうした?」

[メイン] マクギリス・ファリド : 「どうにもなんねえよ」

[メイン] 前原圭一 : 「ですよねー」

[メイン] 前原圭一 : ……と、そこでふい思い直す。
ろくな武器がこの人にも俺にもないってことは……
今襲われたらヤバいんじゃ……

[メイン] 前原圭一 : いや、諦めるな!
俺にはこんなに強そうな巨人がついてるじゃないか!

[メイン] 前原圭一 : 「ギガス……俺とマクギリスさんのこと守ってくれるよな!?」

[メイン] レジギガス : 「ノー。ワタシ、調子、上がらなイ」

[メイン] 前原圭一 : 「えぇ……」

[メイン] レジギガス : 「マモッテ」

[メイン] マクギリス・ファリド : 「……そ、そうか……」

[メイン] マクギリス・ファリド : 「……少年。強く生きよう!」
と笑顔を向けて

[メイン] 前原圭一 : 「生きれたらいいなぁ!?」

[メイン] マクギリス・ファリド : 「とにかく敵意のない私たち同士で出会えたのは幸運だ。頭数が多いと有利だからな」

[メイン] マクギリス・ファリド : 「戦いを止めるならば、皆の意思をまとめなければならない」

[メイン] 前原圭一 : 「ああ、そうだなマクギリスさん」

[メイン] マクギリス・ファリド : 「殺すにしても殺さないにしても……戦いは避けられないものになるだろう」

[メイン] マクギリス・ファリド : 「……行くぞ圭一君。戦う意思の薄いものを探し、まずはそれを仲間へ引き入れる」

[メイン] 前原圭一 : 「……はい!」

[メイン] 前原圭一 : 皆の意志を纏めた力が、どんなに強いか。
俺は既に知っている。

[メイン] 前原圭一 : 今回の「惨劇」だって、きっと乗り越えられるさ……!

[メイン] 前原圭一 :

[メイン] 前原圭一 :

[メイン]   :

[メイン] アスラン・ザラ :

[メイン] アスラン・ザラ :

[メイン] アスラン・ザラ :

[メイン] アスラン・ザラ : 「…………」

[メイン] アスラン・ザラ : 「キラ……」

[メイン] アスラン・ザラ : 脳裏によぎるは、姿を見てしまった親友の姿。

[メイン] アスラン・ザラ : 目の前に広がるは、無人の大地。

[メイン] アスラン・ザラ : 始まったのか、殺し合いは……

[メイン] アスラン・ザラ : 「……おい、はしゃぐなよ」

[メイン] ゴース : 「ゴォース…」

[メイン] アスラン・ザラ : ……何故か持ち物に加わっていた奇妙な玉から出て来た、変な奴。
これは生き物なのか?

[メイン] アスラン・ザラ : ……それはそれとして憎めないやつだ。

[メイン] アスラン・ザラ : 何やら俺に懐いているようだし……
邪険にするのもな

[メイン] ゴース : 「ゴォース!」

[メイン] アスラン・ザラ : 「はは、どうしたもう……」

[メイン] アスラン・ザラ : と、目の前のそいつを撫で……撫でられない……
こいつ実体ないのか……

[メイン] ゴース : 「ゴォース!ゴォース!」

[メイン] アスラン・ザラ : 「?どうした?」

[メイン] アスラン・ザラ : 騒がしくなったそいつに、少し不安な目を向ける。

[メイン] アスラン・ザラ : 「……そうか。近くに誰かいるのか」

[メイン] ツリーガード : 大地を砕くほどの踏み込みで

[メイン] ツリーガード : 巨大な騎兵が飛び出す

[メイン] ツリーガード : そしてその背後から一人の狩人が、灰塵を残して空へ

[メイン] アスラン・ザラ : 「!」

[メイン] マリア : 「聡いな」

[メイン] マリア : 「その幻惑は、まるで生きているようだ」

[メイン] アスラン・ザラ : 咄嗟に地面に飛び込みローリング。
騎兵の突進を躱す。

[メイン] ゴース : ▼ ゴースには こうかがないようだ…

[メイン] アスラン・ザラ : 「お前は……」

[メイン] マリア : 「マリア」

[メイン] マリア : 着地し、霞むように実体のない姿とその"飼い主"を見て

[メイン] トビ : 「おっとっとっとっととーーーー!?」
女の自己紹介と同時に男が躓いたよつに茂みから飛び出す

[メイン] アスラン・ザラ : 「アスラン・ザラだ」

[メイン] アスラン・ザラ : 「……もう一人!?」

[メイン] トビ : 「……あ、あれ?なんか…大事な所に来た感じ…っスかね!?」

[メイン] マリア : 「…もう一人」

[メイン] マリア : 軽薄な姿を捉えつつ

[メイン] アスラン・ザラ : 「……あの男」

[メイン] アスラン・ザラ : あの男だ。唯一あそこから奇妙な消え方をした……

[メイン] トビ : 「えっ!?えっ!?何かボクの顔についてます!?」

[メイン] アスラン・ザラ : それはいい。取り敢えずは目の前の相手だ!

[メイン] トビ : 「あっ付けてるのは面でしたー!!ハハハハ…」
と1人騒いでいる

[メイン] マリア : 「さてと」

[メイン] マリア : 「どちらから狩るか」

[メイン] マリア : どちらにせよ、面倒なのは変わりまい

[メイン] トビ : 「ひええええ神様仏様女神様お見逃しくださいよ〜〜!!」
と、マリアの前で祈ってみる

[メイン] アスラン・ザラ : 「狩る……お前は、このくだらないゲームに乗ってるっていうのか」

[メイン] マリア : 「…生憎、報酬に興味はない」

[メイン] マリア : 「狩人とは、囚われた夢の中で自由など考えないさ」

[メイン] マリア : 「夜明けを待つだけだ…」

[メイン] マリア : 飛び出して、煙のような軌跡を残して

[メイン] マリア : トビを切り裂こうと長刀を振り翳す

[メイン] トビ : 「うおっとぉぉぉ!?」

[メイン] アスラン・ザラ : 「血迷ったことを」

[メイン] トビ : 土下座するよう身体全体を下げてその一撃をかわす

[メイン] アスラン・ザラ : 全速力。二人の元に駆け出す

[メイン] マリア : 「迷いはしない、得てして酔うのだから」

[メイン] ツリーガード : 騎兵がアスランの前に飛び出す

[メイン] トビ : 土下座したまま後ろに下がっていっている

[メイン] アスラン・ザラ : 「チイッ!!」

[メイン] トビ : 「あ…あら…?」
と、後ろを少し振り向く

[メイン] ツリーガード : そして、激しく嘶きハルバードを掲げる

[メイン] アスラン・ザラ : 横に飛びながら腕を構え

[メイン] マリア : 「貴殿は私が相手さ」

[メイン] マリア : トビに対して、舞うように二刀を持って切り刻もうとする

[メイン] マリア : 踏み込み、その懐に短刀を

[メイン] マリア : 身体の端には長刀を

[メイン] ツリーガード : 騎兵は盾を構えて、アスランに突貫する

[メイン] ツリーガード : その眼前にハルバードを振りながら

[メイン] トビ : 瞬時に立ち上がって───

[メイン] トビ : 身体をくねくねくねくねと横に動かして斬撃を回避しようと試みる

[メイン] マリア : 「奇怪だな」

[メイン] マリア : それを見て

[メイン] マリア : さらにもう一歩前にステップ、肉薄し

[メイン] トビ : 「いやいやいやいや死ぬ死ぬ死ぬひえええーーー!!!」

[メイン] アスラン・ザラ : そのハルバードを、超人的な反応で素手で受け流し、弾く

[メイン] マリア : 突き立てるように二刀前に

[メイン] アスラン・ザラ : 「邪魔をするなッ!!」

[メイン] ツリーガード : 弾かれたままアスランを通り抜け

[メイン] ツリーガード : 馬は飛び上がり、今度は

[メイン] ツリーガード : その重みを活かしてシールドバッシュを試みる

[メイン] ツリーガード : 弾くのならば、全重を持って打ち構えるように

[メイン] アスラン・ザラ : 「くうっ!!」

[メイン] トビ : マリアの一撃をモロに────

[メイン] トビ : 「スカッ」

[メイン] トビ : 「なんちって」
と、いつの間にかマリアの背後にて

[メイン] マリア : 「…すり抜けたか」

[メイン] マリア : 「よもや霊体、いいや…」

[メイン] アスラン・ザラ : 次の瞬間、放たれた盾を前転、躱して

[メイン] マリア : 「或いは悪夢の技か」

[メイン] アスラン・ザラ : そのまま脚に滑りながら一撃

[メイン] トビ : 「悪夢、ねえ」

[メイン] ツリーガード : 踏み込み切り返す筈が

[メイン] トビ : そのままバックステップ
マリアと距離を取る

[メイン] ツリーガード : 脚を揺るがされてそのまま後退

[メイン] アスラン・ザラ : 「トゥ!!!!!」

[メイン] ツリーガード : アスランの身のこなしを測るように、一度距離を取る

[メイン] マリア : 同じく、測るようにトビを睨む

[メイン] アスラン・ザラ : そのまま飛び上がり、着地

[メイン] アスラン・ザラ : 「……クソ、あいつを庇いながらは戦えない!」

[メイン] マリア : 「庇う、か」

[メイン] トビ : 睨まれて情けない叫びをあげている

[メイン] マリア : 「随分と贅沢を言うな」

[メイン] マリア : 興が移ったか

[メイン] マリア : 飛び上がり

[メイン] ツリーガード : 騎兵と立場を入れ替えて

[メイン] ツリーガード : 騎兵はそのままトビに突貫

[メイン] マリア : 盾を踏み台に、アスランに飛び込む

[メイン] トビ : 慌てて脱兎の如く騎兵から逃げようと走る

[メイン] アスラン・ザラ : 「選手交代か!!」

[メイン] マリア : 「そうさな」

[メイン] アスラン・ザラ : ダンと、脚を踏み入れて

[メイン] マリア : 地を這うようにすれすれから

[メイン] マリア : 二刀を広く、半円描く斬撃を

[メイン] アスラン・ザラ : 雪の結晶のような模様が浮かび上がる

[メイン] マリア : 「…!」

[メイン] アスラン・ザラ : 「モウヤメルンダッ!!!!!」

[メイン] マリア : 縦に切り返し、直前で立ち止まる

[メイン] アスラン・ザラ : それを受けるように蹴撃を放つ

[メイン] トビ : それなりに逃げ

[メイン] トビ : どこからともなく油をツリーガードに投げる

[メイン] マリア : 「っぐ!」

[メイン] マリア : 刀で受けるが、とはいえ構えから飛び出す蹴り

[メイン] マリア : それは言わば体幹を軸に飛び出す人体の砲撃

[メイン] マリア : 重く、響く一撃故に

[メイン] マリア : 「…慣れてるな、軍人か?」

[メイン] アスラン・ザラ : 「……こんなことに慣れても、しょうがないけどな」

[メイン] ツリーガード : 油壺を、盾で受ける

[メイン] トビ : 次に用意するのは、火炎瓶
それをツリーガードに向けてシューーーット

[メイン] マリア : 「謙遜するな、強さなのだからな」

[メイン] ゴース : 「ゴォース……ゴォース……」
と、主人の危機に慌てる

[メイン] マリア : 今度は飛び上がり

[メイン] アスラン・ザラ : 「!」

[メイン] マリア : 蹴りえぬ上空を狙うが

[メイン] マリア : 揺らめく影に警戒し、背後に進路を変えて

[メイン] ツリーガード : 騎兵は、油に燃え上がる炎で包まれるが

[メイン] ツリーガード : しかし、飛び上がり

[メイン] ツリーガード : 高く飛び上がり、地面に盾と斧を叩きつけて

[メイン] トビ : 今いる地面に手を置き

[メイン] ツリーガード : 激しい衝撃でそれを消さんとする

[メイン] ゴース : 「ゴォース!!」

[メイン]   : そのガスの周囲で怪しげな光が舞う

[メイン] トビ : 「そ…そんなあ…」
とへたり込む

[メイン] トビ : 渾身の策だったのにー!なんて言いながら

[メイン] ゴース : ▼ゴースは あやしいひかりをつかった!

[メイン] マリア : 「…ほう?」

[メイン] トビ : 「もうだめだーーー!」
と地面に手を置きながら

[メイン] マリア : くらりと、惑うような光に揺らめくが

[メイン] マリア : 「…読み違えたな」

[メイン] マリア : 「その幻惑は、思う以上ならば」

[メイン] マリア : 二刀を、自身の腹に突き立てる

[メイン] マリア : その衝撃で意識を捉えつつ、刃に血を宿らせる

[メイン] トビ : (……ほう)

[メイン] ツリーガード : 騎兵は、そのまま切り上げるようにトビにハルバードを振り向ける

[メイン] ゴース : 「ゴォース」(誇らしげ)

[メイン] トビ : (アレをそのような手段で突破したか)

[メイン] トビ : ……バックステップ

[メイン] アスラン・ザラ : 「今だッ!!」

[メイン] マリア : 「さあ、軍人よ」

[メイン] トビ : そして

[メイン] トビ : 「セットオッケェ!!」

[メイン] トビ : 「先輩の真似事ッスけどー!」

[メイン] マリア : 「御照覧あれ…穢れたる血の技を」
赤く染まった刃を引き抜いて

[メイン] トビ : 先ほど自分がいた足場や、逃げていた通路が一斉に光り

[メイン] ツリーガード : 「…!!」

[メイン] トビ : 「芸術は爆発だァ───!」

[メイン] アスラン・ザラ : マリアにスキが生じた瞬間、トビの方へ走る

[メイン] トビ : 大爆発
ツリーガードだけを綺麗に巻き込む大爆発が起きる

[メイン] ツリーガード : 爆炎に包まれて、馬が呻き動きが止まる

[メイン] ツリーガード : 騎兵もまた、見たことのない大爆発に対処は出来ない

[メイン] マリア : しかし、狩人だけは

[メイン] マリア : 火薬もまた、狩道具

[メイン] マリア : 鮮血の双刀を構えて飛び出すアスランを追う

[メイン] トビ : 「あっちょっとこっち来ないでそいつ引きつけて〜〜!」

[メイン] マリア : 飛び上がり

[メイン] マリア : 円を描くように二本の刀を振りかぶる

[メイン] アスラン・ザラ : 「ッ!」

[メイン] マリア : その斬撃は刃の範囲にとどまらず

[メイン] マリア : 赫く広く、血は空刃に変わり

[メイン] マリア : そして紅く点火する

[メイン] マリア : 振りかぶる赫は、炎の斬撃としてマリアの辺りを踊り狂う

[メイン] アスラン・ザラ : 「血鬼術……っ!?」

「違う!?」

[メイン] アスラン・ザラ : 咄嗟、そちらの方へ向き直り
「警戒」する

[メイン] トビ : 点火したのに見惚れて反応に遅れる

[メイン] マリア : 下から切り上げるようにすれば

[メイン] マリア : 二人の足元から駆け巡るように炎の斬撃が飛び出す

[メイン] アスラン・ザラ : 『警戒』が最大限なされた人の心には
触れられない

[メイン] アスラン・ザラ :
Absolute Terror field
絶 対 不 可 侵 領 域

[メイン] トビ : 『警戒』を怠った人はいとも簡単に────

[メイン] トビ : ───すり抜ける

[メイン] マリア : 「奇怪だな」

[メイン] マリア : 「軍人は良い、優れた嗅覚だ」

[メイン] マリア : 「しかし仮面、お前は違う」

[メイン] マリア : 「言うなれば"そこに居ない"よ」

[メイン] マリア : 「まるでそう…」

[メイン] マリア : 「"上位者"の如く、そこに居ながらに不在よな」

[メイン] トビ : 「─────」

[メイン] マリア : 踏み込み、二つ

[メイン] マリア : 投げナイフを飛び出させる

[メイン] トビ : 「あの面々の中で最も先に葬るべきだったのは貴様なのかもしれんな、女」

[メイン] トビ : その台詞には

[メイン] トビ? : 殺気しか感じさせない『上位者』のそれに酷似していた

[メイン] マリア : 「…やはりか」

[メイン] マリア : 「やはり"狩りの夜"よ」

[メイン] アスラン・ザラ : 心の壁を張り後ろに後ずさったアスラン

[メイン] マリア : 「知っているのだよ」

[メイン] アスラン・ザラ : 「……あいつら……!」

[メイン] マリア : 「悪夢を見るのは得てして堕ちる人だ」

[メイン] マリア : 「だがね」

[メイン] マリア : 「悪夢を作り得る者がいる」

[メイン] マリア : 「このような"悪夢"」

[メイン] マリア : 「目的が無ければ作らないとも」

[メイン] マリア : 「尤も…」

[メイン] マリア : 「貴殿は私の知る"上位者"とはズレているがな」

[メイン] トビ? : 画面の奥の瞳の色は、嘲笑と関心

[メイン] マリア : 刃を二つ、交差させる

[メイン] マリア : 「貴殿…いいや」

[メイン] マリア : 「貴様も、誑かすのは辞めると良い」

[メイン] マリア : 「恨みは夢を砕く、企みは綻ぶ」

[メイン] アスラン・ザラ : 「……」

[メイン] マリア : 「嘗て私の悪夢すら踏み躙る程の"飢え"があった」

[メイン] マリア : 「…ああ、甘いな」

[メイン] マリア : 「秘密とは甘いんだよ、仮面」

[メイン] トビ? : 「………」

[メイン] マリア : 「お前の死体すら啜り、その仮面を食い破る悪夢が来るぞ、狩りに来る」

[メイン] アスラン・ザラ : 二人の会話をそのまま眺める

[メイン] マリア : 「私は知っている、鐘の音を鳴らす長針の使者を」

[メイン] マリア : 「……そして、お前の滑稽さもな」
自嘲混じりに

[メイン] トビ? : 「……くだら」

[メイン] : その仮面の男の隣の地面が盛り上がり、男が現れる

[メイン] アスラン・ザラ : 『カルネアデスの舟板だね』

[メイン] マリア : 「…!」

[メイン] ゼツ : 「両儀式によって犬飼は敗北、鬼札切って逃げたよ」

[メイン] トビ? : 「……やはりな」

[メイン] アスラン・ザラ : 『自分が生きるため、自分の望みの為なら、他を切り捨てることは赦されるのだろうか?』

[メイン] マリア : 「…」

[メイン] ゼツ : 「前原圭一とマクギリス・ファリドは同盟者の募集中」

[メイン] マリア : 「…やはりか」

[メイン] ゼツ : 「ルシードとカンナは接触中」

[メイン] マリア : 「お前は糸を手繰ったな?」

[メイン] ゼツ : 「途中報告…あっやべ」

[メイン] トビ? : 「…出てくるタイミングが悪いぞ」

[メイン] マリア : 指笛を鳴らす

[メイン] ゼツ : 「ハイスイマセン」
そう言いながら地中深くに姿を消す

[メイン] ツリーガード : 騎兵が、地面を破ってマリアを捕まえて

[メイン] トビ? : 「覚えておけ」

[メイン] マリア : 「悪夢よ悪夢、私を捕らえる悪夢の渦よ」

[メイン] アスラン・ザラ : 『人の見る夢というのは、奇妙なものだ。脳の働きの一つなのに、明確に世界を紡ぎ出す』

[メイン] アスラン・ザラ : ……無意識に放った言葉から我を取り戻す。

[メイン] アスラン・ザラ : 「……前原、キラか!?」

[メイン] トビ? : 「悪夢跋扈する世界を救って見せよう」

[メイン] マリア : 「……クク」

[メイン] トビ? : 「このオレ」
アスランの問いには頷きつつ

[メイン] マダラ :  

[メイン] マダラ : 「うちはマダラが」

[メイン] マダラ :  

[メイン] マダラ : そう言い残し、右目を中心とし螺旋の渦を描き

[メイン] マリア : 「……愚だな」

[メイン] : 仮面の男はその姿を消した

[メイン] アスラン・ザラ : 「うちは、マダラ……」

[メイン] マリア : 久しく見届けた"上位者"の名を知り

[メイン] マリア : 一人の狩人は啓蒙し、空を仰ぎ

[メイン] マリア : 「…狩るとも」

[メイン] ツリーガード : 騎兵と共に、駆け出して行く

[メイン] ツリーガード : 大きく跳ねて、岩肌を揺るがしながら

[メイン] アスラン・ザラ : 『楽しみだね』

[メイン] アスラン・ザラ : 『君が覚める時が』

[メイン] アスラン・ザラ : 彼の後ろ首に浮き出た赤い球が、そう、狩人へと語りかける気がした。

[メイン] アスラン・ザラ :

[メイン] アスラン・ザラ :

[メイン] アスラン・ザラ :

[メイン] 前原圭一 :

[メイン] 前原圭一 :

[メイン] 前原圭一 :

[メイン] 前原圭一 : あれから俺たちは、あてもなく島の中を彷徨っていた。
なるべく人気のする方へ、大きな音がする方へ。

[メイン] 前原圭一 : 「……音はするのに、誰もいないな」

[メイン] 前原圭一 : 何か大きな建物が崩れた音のした方向。
そっちに歩いていると、無人の街があった。

[メイン] マクギリス・ファリド : 「人のいた痕跡だな。近くに誰かいるだろうか?」

[メイン] 前原圭一 : 「……居たらいいんだけどな」

[メイン] レジギガス : ズッ……ズッ……!

[メイン] マクギリス・ファリド : 「武力がこいつだけなの不安だからなんか店あさっていかない?」

[メイン] 前原圭一 : 「えっ……それはいいのかな……」

[メイン] マクギリス・ファリド : 「無人だしな、別にいいだろう」
と、目についた建物に入っていく

[メイン] マクギリス・ファリド : そこに並べられた多くの……主に武器になりそうなものに目を運ぶ

[メイン] マクギリス・ファリド : 「ゴルフクラブ……凶器になるだろうが……武器となると心もとない」

「サバイバルナイフ……武器としてはまさに言った感じだがリーチが短い」

[メイン] マクギリス・ファリド : 「鉈……破壊力は高いが扱いにくい。それも素人には」

「スタンガン……武器以外の使い道がない道具ではあるが……殺し合いとなると……」

[メイン] マクギリス・ファリド : と、店を物色する

[メイン] 前原圭一 : すごい目つきだな……
何処か怖い……

[メイン] マクギリス・ファリド : 「これだな。これがいい」
と、先の膨らんだ鉄の棒を取り出す

[メイン] マクギリス・ファリド : 「金属バット。扱いやすさも威力も充分。手加減も利くだろう」

[メイン] 前原圭一 : 「……!」
マクギリスが取り出してきたそれを見て、目を少し細めて

[メイン] マクギリス・ファリド : 「これは君が持つといい。その大きいのは役に立たんのだろう?」

[メイン] 前原圭一 : 「で、でも、マクギリスさんは……」

[メイン] マクギリス・ファリド : 「私は平気だよ。隠し玉があるからね」

[メイン] マクギリス・ファリド : と、口を笑わせる

[メイン] 前原圭一 : 「あ、はい……」
と、バットを受け取る
これを握ると、何か妙な気分だ。

[メイン] マクギリス・ファリド : 「さて、行こうか」

[メイン] マクギリス・ファリド : と、店から出て探索を続ける

[メイン] : 探索を続ける一同の前に

[メイン] : 空間の歪みから

[メイン] マダラ : 仮面の男が

[メイン] 前原圭一 : 「!?」

[メイン] マクギリス・ファリド : 「おや、あの時の」

[メイン] 前原圭一 : 咄嗟にバットを構えて、その仮面の男へと向き合う

[メイン] 前原圭一 : 「……味方、だよな!?」

[メイン] マダラ : その纏う雰囲気は、最初の部屋のおちゃらけた男とはまるっきり別人のような冷徹なソレ

[メイン] マクギリス・ファリド : 「待て少年。何やらおかしい」

[メイン] マダラ : 「……さあ、どうだろうな」

[メイン] マダラ : 「そしてそこの…マクギリスだったか……流石に判断が早い」

[メイン] マクギリス・ファリド : 「……あの部屋にいた青年とはずいぶんと様子が違うな?」

[メイン] マダラ : 「何が真で…何が虚なのか…そんな事はどうだっていいだろう」

[メイン] 前原圭一 : 「……ど、どうなって……」
違う。あの時の人とは声の様子が違う。

[メイン] マダラ : 「オレが用があるのは」

[メイン] マダラ : スッと指を圭一の方に向ける

[メイン] マクギリス・ファリド : 「圭一君……か」

[メイン] マダラ : 「お前だ」

[メイン] 前原圭一 : 「俺……!?」

[メイン] マダラ : 「そうだ」

[メイン] マクギリス・ファリド : ……まさか、狙ってくるのが圭一君とは。

[メイン] マクギリス・ファリド : 彼は別に、何も特殊なところはない普通の少年のはずだ

[メイン] マダラ : 「クク……そうだな」

[メイン] マダラ : 「『最善の終わりとやら』を真っ向から否定したくなった───と言えば満足するか?」

[メイン] 前原圭一 : 「何だって……っ!?」

[メイン] マダラ : 「それとも、この中で最も成長性の高いものを潰しにきたと言えば満足するか?」

[メイン] マクギリス・ファリド : 「ほう……君は彼を文字通りの希望と目するか」

[メイン] マダラ : 「クク……そうかもしれんな」

[メイン] マダラ : 「さて────」

[メイン] マダラ : そう言い、圭一の方を向いて

[メイン] マダラ : 無言で突撃する

[メイン] 前原圭一 : 「ッ!?」

[メイン] マクギリス・ファリド : 「少年!」

[メイン] マクギリス・ファリド : 咄嗟に身体の一部を変形させ、圭一を庇いに行く

[メイン] 前原圭一 : 「うああああっ!!!」

[メイン] 前原圭一 : 向かってくるそれに持っていたバットをフルスイング

[メイン] マダラ : ───その勢いのままマクギリスをすり抜け

[メイン] マダラ : 圭一を掴もうとし

[メイン] レジギガス : (このレジギガス!!何もせん!!)

[メイン] マダラ : 再びすり抜けさせられた───

[メイン] 前原圭一 : 「ッ!?」

[メイン] マダラ : 圭一の背後に立ちながら

[メイン] マクギリス・ファリド : 「抜けた!?」

[メイン] マダラ : 「…………ほう」

[メイン] マダラ : 「まぐれか……それとも…」

[メイン] 前原圭一 : 「ど、どうなって……すり抜けた!?」

[メイン] マダラ : 「それに……それは何だ?」
と、マクギリスの変形した部分を指して尋ねる

[メイン] マクギリス・ファリド : 「……バエル……」

[メイン] マクギリス・ファリド : 既に脚、腕が装甲に覆われている

[メイン] マダラ : バエル
───マクギリス・ファリド

[メイン] マダラ : ……よもやこんな因縁があるとはな

[メイン] マダラ : 「マクギリス」

[メイン] レジギガス : (このレジギガス!!動きはせん!!)

[メイン] マダラ : 「お前にとって懐かしいものを見せてやる」

[メイン] マクギリス・ファリド : 「……何?」

[メイン] マダラ : 動こうとしない巨体を一度だけ一瞥し

[メイン] マダラ : 手を地面に

[メイン] マダラ : 「口寄せの術!!」

[メイン] : ───そこに現れたのは

[メイン] キマリストルーパー : 四足歩行の

[メイン] キマリストルーパー : 機械の悪魔

[メイン] キマリストルーパー : 名を、ガンダムキマリストルーパー

[メイン] 前原圭一 : 「な、なんだ!?」

[メイン] マクギリス・ファリド : 「……キマリスだと」

[メイン] ゼツ : 「思わぬ掘り出し物だと思わないか?」

[メイン] マクギリス・ファリド : 「奇妙な因縁もあるものだな……ガエリオ!」

[メイン] ゼツ : その声は、ガエリオと呼ばれたそれに酷似していており

[メイン] キマリストルーパー : 金髪の男に復讐を果たすべく、四足の悪魔は突進を始める

[メイン] マクギリス・ファリド : 「いいだろう、今度こそ殺してやろう!!」

[メイン] マクギリス・ファリド : と、全身が装甲に覆われ、巨大化する。
シンクロンマキシム効果だ。

[メイン] キマリストルーパー : 駆動音を奏でながら、そのデストロイヤー・ランスを巨大化した胸元に向けて

[メイン] マダラ : 「ククク…過去の因縁の精算とやらは実に面白いものだ」

[メイン] マクギリス・ファリド : あくまのちから みにつけた せいぎのヒーロー
バエルマン バエルマン

[メイン] マクギリス・ファリド : その槍を交差させた剣で防ぐ

[メイン] ゼツ : 「やるな!」

[メイン] 前原圭一 : 「な、何……っ」

[メイン] マクギリス・ファリド : 「トルーパーとは、懐かしいな!二年も前か、最初にお前を殺したのは!」

[メイン] キマリストルーパー : 突進を終え、一先ず後ろに下がろうとする

[メイン] キマリストルーパー : 「次に殺すのはこの俺だ!」

[メイン] マクギリス・ファリド : 下がろうとするそれに剣を突き出す

[メイン] キマリストルーパー : サブアームを展開

[メイン] キマリストルーパー : キマリスの鞘とも言える盾で、その剣を防ごうとする

[メイン] マダラ : それらの様子には目もくれず

[メイン] マクギリス・ファリド : 「フン……彼の脳もないお前など恐れるに足らんさ!!」
片方の剣を防がれ、もう一撃、関節を突くように

[メイン] 前原圭一 : 「な、何が起きて……」

[メイン] レジギガス : (今は動けない それが定めだけど 諦めはしない もう目覚めたから)

[メイン] キマリストルーパー : 「ぐっ……!」
何とか狙いの関節は反らせたが僅かに直撃する

[メイン] マダラ : 仮面の男はそんな前原圭一の前にいて────

[メイン] 前原圭一 : 「あッ!?」

[メイン] キマリストルーパー : 悪魔は、そんなダメージを受けても猪突猛進
その四字熟語のようにバエルに突貫する

[メイン] マダラ : 『……お前の理想など嘘っぱちである事を教えてやる』

[メイン] マクギリス・ファリド : 「単調だな」

[メイン] マダラ : 圭一を、その紅い右眼で睨んで───

[メイン] マクギリス・ファリド : と、受け流し

[メイン] 前原圭一 : 「……!」

[メイン] キマリストルーパー : 「クッ……!!」

[メイン] マダラ : 「眠れ、全てが終わった時にはお前が」

[メイン] マダラ : 「"惨劇"の実行犯だ」

[メイン] 前原圭一 : 「……うぁ……」
ガクン、と身体を落として

[メイン] マダラ : 幻術・写輪眼
それは、意に従わぬ者を強制的に従える神の如き魔眼

[メイン] マクギリス・ファリド : 「圭一君?ちいっ!!」

[メイン] キマリストルーパー : 受け流されたまま、キマリスはそのサブアームからサーベルを抜き───

[メイン] キマリストルーパー : 「よそ見をしている暇はないぞマクギリス!」

[メイン] マクギリス・ファリド : 「忘れたか、お前があの時俺に負けたのは」

[メイン] マクギリス・ファリド : 「……脚を止めての剣戟だろう!!」

[メイン] マクギリス・ファリド : 的確。二本の剣が関節、装甲の隙間、次々と狙い放たれる

[メイン] キマリストルーパー : 「なっにィ……!!」

[メイン] キマリストルーパー : その的確な剣は見事に悪魔の関節を破壊し、キマリスはその動作を停止する

[メイン] マダラ : 「チッ……」

[メイン] マクギリス・ファリド : (イメージ映像)

[メイン] マダラ : 舌打ち一つ
それなりに労力を割いたのだが…こうも一方的だとはな

[メイン] キマリストルーパー : 「……マクギリスゥゥゥ!!!!」

[メイン] マクギリス・ファリド : 「さらにもう一発」

[メイン] マクギリス・ファリド :

[メイン] キマリストルーパー : 「……ガッ」

[メイン] キマリストルーパー : そして、四足歩行の悪魔は呆気なくその動作を終え

[メイン] マクギリス・ファリド : 「二度も言わせるな」

「二度は言わん」

[メイン] ゼツ : コックピット部分から、白い何かが飛び散る

[メイン] キマリストルーパー : 「………」

[メイン] マクギリス・ファリド : 「……何だ、この気持ち悪い感覚は」

[メイン] マクギリス・ファリド : 硬化した皮膚に飛び散ったこれは……パイロットの細胞!?

[メイン] ゼツ : 「……まあ、負けたらこうなるよねえ」

[メイン] ゼツ : そして、悪魔の操縦士となっていた復讐者とは似ても似つかない男のような何かもまた、貫かれた事により動作を停止した

[メイン] マクギリス・ファリド : 何だこれは……人間のものとは思えん……
だが……

[メイン] マクギリス・ファリド : そうだ、圭一君は……

[メイン] マダラ : 「……目的は既に達成した」

[メイン] マダラ : キマリスの残骸に手を触れ

[メイン] マクギリス・ファリド : 仮面の男の方に振り向き

[メイン] マダラ : 男と残骸は渦の中に消えていく────

[メイン] マクギリス・ファリド : 「逃げられ……!」

[メイン] マダラ : 「…後はやれ」

[メイン] マダラ : 「前原圭一」

[メイン] マクギリス・ファリド : 身体を戻して圭一の元へ駆け寄る

[メイン] 前原圭一 : ……敵。

[メイン] 前原圭一 : マクギリスさんは、あのデカいのと戦う時、殺す、殺したなどと言っていた。

[メイン] 前原圭一 : マクギリスさんは、誰かを既に殺して……

[メイン] 前原圭一 : ずっと、騙して……
俺も、殺すつもりなのか?俺も殺されるのか?

[メイン] 前原圭一 : じゃ、じゃあ……俺は……どうすれば……

[メイン] 前原圭一 : 「……ハッ!?」
闇の中から意識が目覚める。

[メイン] 前原圭一 : 目に入るのは、その金髪の男。

[メイン] マクギリス・ファリド : 「よかった……なんともないか?」

[メイン] 前原圭一 : 顔を見せた彼に、安心感を覚えると同時に。
危機感を感じる。

[メイン] 前原圭一 : ……殺されるかもしれない。
目の前の彼に……既に彼は、一人以上殺しているのかも……
そんな疑念が心から離れない。

[メイン] マクギリス・ファリド : 「……大丈夫か?」

[メイン] 前原圭一 : 「あ、はい……」

[メイン] 前原圭一 : ……考えすぎだろうか。
目の前の彼が、そんな……

[メイン] 前原圭一 : 「何とも、ありません」

[メイン] マクギリス・ファリド : 「そうか。なら……良かった」

[メイン] マクギリス・ファリド : ……明らかに、様子がおかしいが

[メイン] 前原圭一 : 「さ、さあいきましょう!だってまた音が……」

[メイン] マクギリス・ファリド : 「そうだな……」

[メイン] マクギリス・ファリド : また近くから大きな音がした。行かなくてはならない。

[メイン] 前原圭一 : 「……じゃ、じゃあ、行きましょう」

[メイン] マクギリス・ファリド : 「……ああ」

[メイン] 前原圭一 : そうだよな……きっと……
考えすぎで……

[メイン] 前原圭一 :

[メイン] 前原圭一 :

[メイン] 前原圭一 :

[メイン] アスラン・ザラ :

[メイン] アスラン・ザラ :

[メイン] アスラン・ザラ :

[メイン] アスラン・ザラ : ……あの後、結局あいつらは見つからなかった。
あんな奴らがいるなら、すぐ止めないといけないのに……

[メイン] アスラン・ザラ : 無人の街を歩く俺は、大きな音を聞いて、そちらに向かっていた。

[メイン] ゴース : 「ごぉーす^^」

[メイン] アスラン・ザラ : ……そう歩いていると、見覚えのある人影が、見えた気がした。

[メイン] 前原圭一 : 音のした方へ歩いていると、そこに

[メイン] アスラン・ザラ : 「……キラ?」

[メイン] アスラン・ザラ : やはり、そうだ。あそこにいるのは……

[メイン] 前原圭一 : 「……!」

[メイン] マクギリス・ファリド : 「圭一君、どうした?」

[メイン] 前原圭一 : 「……アスラン」

[メイン] アスラン・ザラ : 声が聞こえた。
聞き覚えのある声、見慣れた色の髪。

[メイン] アスラン・ザラ : 「キラ!!」

[メイン] アスラン・ザラ : つい、俺ははっきり見えたそれに走り寄る

[メイン] ゴース : 「ごぉーす」

[メイン] レジギガス : 「ズッ……ズッ……!」

[メイン] 前原圭一 : 駆け寄ってくる。
見慣れた人影。だけど……

[メイン] 前原圭一 : 近くに、『何か』居る

[メイン] 前原圭一 : 咄嗟にバットを構え、警戒する

[メイン] 前原圭一 : 「アスランッ!!それ以上近づくなッ!!」

[メイン] マクギリス・ファリド : 「圭一君!?」

[メイン] アスラン・ザラ : 「ど、どうしたキラ……」

[メイン] 前原圭一 : 「武器が……武器があるんだろ!?出せッ!!」

[メイン] アスラン・ザラ : 「何を言って……」

[メイン] マクギリス・ファリド : 「圭一君落ち着け。今のところ彼は友好的だ。刺激するな」

[メイン] 前原圭一 : 「騙されるなっ!!アスラン……お前のその隣に居るのはなんだ……!!」

[メイン] アスラン・ザラ : 「これはッ……」

[メイン] アスラン・ザラ : 言葉に詰まってしまう。
こいつを説明できるほど、俺はこいつについて知らない。

[メイン] 前原圭一 : 「答えられないのか?」

[メイン] アスラン・ザラ : 「……こ、コイツは敵じゃない!!」

[メイン] 前原圭一 : 「証明できんのかよ!!俺には分かるぜ。そいつはインドゾウすら2秒で昏倒する毒ガスを放つ生物兵器だ!!」

[メイン] マクギリス・ファリド : 「圭一君ッ!!」

[メイン] マクギリス・ファリド : つい語気を荒げる。今の彼は明らかに正気では……

[メイン] アスラン・ザラ : 「ち、違う!!」

[メイン] レジギガス : 「ゴース ガスじょうポケモン」

[メイン] レジギガス : 「うすい ガスじょうのせいめいたい。 ガスにつつまれるとインドぞうも2びょうでたおれる。」

[メイン] 前原圭一 : 「ッ!!!!!」

[メイン] 前原圭一 : 「やっぱりそうなんじゃねえかァ!!!」

[メイン] アスラン・ザラ : 「な、何、何!?喋った!?」

[メイン] 前原圭一 : 「んな物騒なものを連れて……何をする気だった!?」

[メイン] 前原圭一 : 「当ててやるぜ、油断させて毒ガスで俺たちを殺すつもりだったんだろ!?」

[メイン] アスラン・ザラ : 「ち、違うッ!!」

[メイン] ゴース : 「ごぉーす」

[メイン] 前原圭一 : 「ウッディ!!!」
踏み出してバットを振るう

[メイン] マクギリス・ファリド : 「圭一君!!!!」
その肩を無理矢理抑えて止める

[メイン] 前原圭一 : 「何をッ!?」

[メイン] マクギリス・ファリド : 「もしそれが本当だとしてもそんな相手に無策で突っ込むのは危険だ!!ここは一旦……」

[メイン] ゴース : 「ごぉーす!!」

[メイン] ゴース : ▼ゴースはスモッグをつかった!

[メイン] ゴース : と、そのままアスランを引っ張ってどこかへ連れていく

[メイン] アスラン・ザラ : 「何をする?やめろゴース!!ゴース!!」

[メイン] 前原圭一 : 「逃げられる……っ!!」

[メイン] マクギリス・ファリド : 圭一君……明らかに様子が普通ではない

[メイン] マクギリス・ファリド : 一体、どうして……

[メイン] マクギリス・ファリド : 「……好都合だ。こちらもあいつらから離れられる」

[メイン] 前原圭一 : 「……っく、くぅ……」

[メイン] マクギリス・ファリド : 「落ち着け。奴を倒すのは仲間を募ってからでも遅くはない……」

[メイン] マクギリス・ファリド : と、必死に圭一をなだめる

[メイン] 前原圭一 : 「……はい」

[メイン] 前原圭一 : 止めるなんて……
やっぱり、マクギリスさんも……

[メイン] マクギリス・ファリド : ……今の彼は、危険かもしれんな……

[メイン] マクギリス・ファリド :

[メイン] マクギリス・ファリド :

[メイン] マクギリス・ファリド :

[メイン] アスラン・ザラ :

[メイン] アスラン・ザラ :

[メイン] アスラン・ザラ :

[メイン] ゴース : 「ごぉーす!!」

[メイン] アスラン・ザラ : ゴースの奴が必死に俺のことを引っ張っていく。
キラから離れるように。

[メイン] アスラン・ザラ : 「わかったわかった、もう歩けるから」

[メイン] ゴース : 「ごぉーす☆」ごきげん

[メイン] アスラン・ザラ : ……しかし、何処まで連れていかれた?

[メイン] アスラン・ザラ : キラとはどれくらい離れた?

[メイン] アスラン・ザラ : 近くにはレストランがある。

[メイン] アスラン・ザラ : それと、何かの戦闘の後……

[メイン] アスラン・ザラ : マンホールが外れている。

[メイン] アスラン・ザラ : 近くに、誰かいるのか?

[メイン] ゴース : 「ごぉーす」

[メイン] アスラン・ザラ : 「?」

[メイン] アスラン・ザラ : ゴースが向いた方向へ俺は歩き出す。
確かに人の気配が数個ある。

[メイン] ルシード・グランセニック : 透明の揺り籠を引き連れて、ルシードは服屋から出てくる

[メイン] ルシード・グランセニック : 「うーん、シミ落としとか色々探したけど……どれも古いなぁ」

[メイン] ゴース : 「ごぉーす?」

[メイン] アスラン・ザラ : 「あ、ああ。アイツだ」

[メイン] アスラン・ザラ : あの部屋に集められていた一人……

[メイン] ルシード・グランセニック : 「っておや?」

[メイン] アスラン・ザラ : 「お、気づかれてしまったか」

[メイン] ルシード・グランセニック : 「やあ、そこのき……うわっ幽霊!?」

[メイン] ゴース : 「ごぉーす」

[メイン] ルシード・グランセニック : ゴースを見て、大きく目を見開く

[メイン] アスラン・ザラ : 「ま、待て!こいつは悪い奴じゃない。俺に懐いてるんだ」

[メイン] ルシード・グランセニック : 「だ、大丈夫かい?如何にも呪ってきそうだけど」

[メイン] アスラン・ザラ : 「……やめろよ?」とゴースを見て

[メイン] ゴース : ぶんぶん(首を縦に振る音)

[メイン] ルシード・グランセニック : 「だ、大丈夫なら良いんだけど…」

[メイン] アスラン・ザラ : 「き、君は信じてくれるのか。こいつの事を」

[メイン] アスラン・ザラ : 先の事を思い出して、俯く

[メイン] ルシード・グランセニック : 「うん、そりゃあ……」
自分自身、おかしな者であるし、ドラゴンが横で眠っているし

[メイン] ルシード・グランセニック : 「良いおばけくらいいるんじゃないかな?」

[メイン] アスラン・ザラ : 「良かった……」
心底安心したような顔で

[メイン] アスラン・ザラ : と、揺り籠を見て

[メイン] アスラン・ザラ : 「あの子か?」

[メイン] アスラン・ザラ : 「……呆れたな」

[メイン] ルシード・グランセニック : 「ああ、ちょっとこの近くで戦闘があってね……彼女を巻き込んでしまった」

[メイン] カンナ・カムイ : すぴーすぴーと、寝息を立てて寝ている。
ゆりかごが快適なおかげか、話し合っても起きることは無いようで。

[メイン] アスラン・ザラ : 「そう、か……」

[メイン] ルシード・グランセニック : 「……うん、そっちも、何かしら嫌なことがあったみたいだね」

[メイン] ルシード・グランセニック : 「どうしたんだい?」

[メイン] アスラン・ザラ : 「……いや、俺の事だ。気にしなくていい」

[メイン] アスラン・ザラ : 「……キラ……」

[メイン] ルシード・グランセニック : 「キラ?」

[メイン] アスラン・ザラ : 「……独り言だ。気にしないでいい」

[メイン] マクギリス・ファリド : 別の方向から、圭一君を連れてそこへ近づく。

[メイン] ルシード・グランセニック : 「おや、どんどん合流してきてるね」

[メイン] マクギリス・ファリド : 見えてくる見知らぬ人影。
それに安堵し圭一君に話しかける。

[メイン] マクギリス・ファリド : 「……また人だ。今度は友好的であればいいがな」

[メイン] 前原圭一 : 「……はい……そうですね」

[メイン] ルシード・グランセニック : 「!」

[メイン] ルシード・グランセニック : 「ケーイチ!ケーイチじゃないか!」

[メイン] アスラン・ザラ : 視界にチラつくその姿を見て、嫌な記憶が蘇る。

[メイン] ルシード・グランセニック : 「無事だったんだな!」
泥だらけの白衣でブンブンと手を振る

[メイン] アスラン・ザラ : 「ま、待てルシード!」

[メイン] ルシード・グランセニック : 「?」

[メイン] ルシード・グランセニック : 「どうしたんだい、えーっと…」

[メイン] 前原圭一 : それに気付いて、足を止める

[メイン] アスラン・ザラ : 「アスラン・ザラだ」

[メイン] ルシード・グランセニック : 「アスラン、アスランね。で、どうしたのさ」

[メイン] マクギリス・ファリド : 「……!!」
ふと見つけてしまう。彼らの隣にいるのは……先の

[メイン] アスラン・ザラ : 「い、今のアイツは、キラは」

[メイン] ルシード・グランセニック : 「(ケーイチの事、キラってあだ名で呼んでるのか)」

[メイン] 前原圭一 : ルシードに駆け寄ろうとするが

[メイン] 前原圭一 : 見える。

[メイン] 前原圭一 : 血?

[メイン] 前原圭一 : ……死体?

[メイン] 前原圭一 : …………アスラン?

[メイン] 前原圭一 : 「……ッ!!」

[メイン] ルシード・グランセニック : 「?」

[メイン] ルシード・グランセニック : 「おーい、どうしたんだよ、ケーイチ?」
「犬のフンでも落ちてたか?」
いや、犬なんて見ないけど

[メイン] マクギリス・ファリド : 「圭一君!!」
……クソ。迂闊だった。私がしっかりしていればこれは防げたはずで……

[メイン] 前原圭一 : 「それ以上動くなッ!!」
脚を踏み込んでバットを構える。

[メイン] ルシード・グランセニック : 「……あー、わかった」

[メイン] ルシード・グランセニック : わかりやすく両手を上げて降参の姿勢を取る

[メイン] 前原圭一 : 「アスラン!!お前への疑惑は、確信に変わったぞ!!」

[メイン] アスラン・ザラ : 「何!?」

[メイン] ルシード・グランセニック : 「えー、っと……どういう事かな?」

[メイン] 前原圭一 : 「その反応図星なんだな。その死体……まさかルシード、お前まで俺を騙してたとはなぁ!!」

[メイン] ルシード・グランセニック : 「……犬飼のことかい?」

[メイン] ルシード・グランセニック : 「大丈夫、彼女は生きている」
「脈もある、見てくるといいよ」

[メイン] ルシード・グランセニック : 距離を保ったまま、ルシードは優しげに語りかける

[メイン] 前原圭一 : 「そう言って!!そうやって俺が死体に近付いたらそいつの毒ガスで殺すつもりなんだろ!!」

[メイン] ルシード・グランセニック : 「……なるほど」

[メイン] アスラン・ザラ : 「キラ、何故俺たちの事を」

[メイン] ルシード・グランセニック : 「アスラン、どうやら彼はその子が怖いらしいんだ、遠くにやってもらえるかい?」

[メイン] ルシード・グランセニック : 「視界から隠すだけでも良い」
「とにかく、彼を怖がらせないであげてくれ」

[メイン] ゴース : 「ぐぉーす?」

[メイン] ルシード・グランセニック : 「うん、ゴース?っていいうのかい?ケーイチは君が怖いみたいなんだ」

[メイン] ルシード・グランセニック : 「悪いんだけど、少し離れてあげて欲しい」

[メイン] ゴース : 「ごぉーす……」ススス

[メイン] 前原圭一 : 「チッ!」

[メイン] ルシード・グランセニック : 「……この距離なら、彼が毒ガスとやらでケーイチを攻撃もできない」

[メイン] ルシード・グランセニック : 「もう大丈夫だ、安心してくれ」

[メイン] 前原圭一 : 「そいつはどうかな!?」

[メイン] ルシード・グランセニック : 「うん、何か怖い事があるのかい?」

[メイン] ルシード・グランセニック : 優しく、朗らかにルシードは問いかける

[メイン] 前原圭一 : 「オレは知ってるんだぜ。そこでスヤスヤ寝てる女の子は実は人ならざる化け物で、お前はその管理を任された秘密結社の一員なんだ。そのツノが動かぬ証……!!」

[メイン] ルシード・グランセニック : 「でも、寝てるだろう?」

[メイン] マクギリス・ファリド : 「圭一君落ち着け、彼らに敵意は」

[メイン] ルシード・グランセニック : 「寝てるってことは、安心ってことさ」

[メイン] 前原圭一 : 「ウッディ!!!!」

[メイン] 前原圭一 : マクギリスに向けて構えていたバットをフルスイング

[メイン] ルシード・グランセニック : 「……ケーイチ、何か、怖い事があったんだね?」

[メイン] ルシード・グランセニック : 「でも、止すんだ、その人は、君のことを思いやってくれている」

[メイン] マクギリス・ファリド : 「何ッ!?」

[メイン] ルシード・グランセニック : 「その人や、僕、他のみんなも、怖がらなくて良いんだ」

[メイン] マクギリス・ファリド : バットをさっと避けて

[メイン] マクギリス・ファリド : 「ま、待て圭一君!!私は」

[メイン] 前原圭一 : 「アンタだって人殺しなのは知ってるんだよぉ!!」

[メイン] ルシード・グランセニック : 「……」

[メイン] ルシード・グランセニック : 「そうか、そこの彼にも事情があるんだね」

[メイン] ルシード・グランセニック : 「けれど、ケーイチ。彼は制服から見るに軍人だろう?」

[メイン] ルシード・グランセニック : 「仕方のない時もある、君が許せなくても、暴力を振るってはいけない」

[メイン] ルシード・グランセニック : 少しだけ厳しく、されど暖かさを失わず。声をかけ続ける

[メイン] ルシード・グランセニック : 「……ケーイチ、君が、何かに怯える気持ちは、とてもよくわかる」

[メイン] ルシード・グランセニック : 「僕も、そういった気持ちで生きているし、今だって……君のことが、少し怖い」

[メイン] ルシード・グランセニック : 「……でもね、ケーイチ」

[メイン] マクギリス・ファリド : 「……」

[メイン] ルシード・グランセニック : 「案外、生き物ってのはチョロいんだ。少し、良い気分にさせてもらえるってだけでも」
「一緒にいて笑っていたくなるんだぜ?」

[メイン] ルシード・グランセニック : 「だから、さ」

[メイン] ルシード・グランセニック : 「そんな物騒な物、似合ってないから置いちまえよ」

[メイン] 前原圭一 : 「知ったふうな、口をォ!!」

[メイン] ルシード・グランセニック : 「最高の終わり方を、目指すんだろ?」

[メイン] 前原圭一 : 一歩踏み出して、バットを振りかぶる

[メイン] ルシード・グランセニック : 「そんな風に怯えて、もしも生き残って、それが最高かい?」

[メイン] ルシード・グランセニック : 迫るバットに向かい、何もせず

[メイン] アスラン・ザラ : 咄嗟、その間に挟まり、腕でそれを防ぐ

[メイン] アスラン・ザラ : 「……この……」

[メイン] ルシード・グランセニック : 「アスランっ!?」

[メイン] アスラン・ザラ : 「馬鹿野郎ッッッ!!!!!」

[メイン] 前原圭一 : 「!?」

[メイン] アスラン・ザラ : 「お前が欲しかったのは、本当にそんな未来か。本当にそんな終わり方か!!」

[メイン] 前原圭一 : 再び、バットを振りかぶって、殴りかかる
「うああああああっ!!!」

[メイン] アスラン・ザラ : 「お前が望んだのは……最高の終わり方じゃあないのか!!!他を殺してまで帰りたい場所があるんじゃないのか!!」

[メイン] アスラン・ザラ : 「他を殺したら、その場所に顔向けできるのかっ!?」

[メイン] アスラン・ザラ : 「安心しろキラ。お前を傷つける奴なんかここにはいやしない」

[メイン] アスラン・ザラ : 「……だから」

[メイン] 前原圭一 : 「あああああ!!!」
また、振りかぶろうとして

[メイン] アスラン・ザラ : 「俺たちを」

[メイン] ルシード・グランセニック : 「…信じてくれ」
今度は、自分の番なのだろう。恐ろしいが、すくむ足で、一歩踏み出す

[メイン] ルシード・グランセニック : 「……なあ、ケーイチ、そんなに、怖い事があったなら、一人で耐える、なんてよせよ」

[メイン] ルシード・グランセニック : 「向いてないって、そういうの」

[メイン] 前原圭一 : 記憶が、蘇る

[メイン]   : どうか嘆かないで。
世界があなたを許さなくても、私はあなたを許します。

[メイン]   : どうか嘆かないで。
あなたが世界を許さなくても、私はあなたを許します。

[メイン]   : だから教えてください。
あなたはどうしたら、私を許してくれますか?

━━ Frederica Bernkastel

[メイン] 前原圭一 : 信じて。
そう言われた気がした。
それを引き金に蘇る……

[メイン] 前原圭一 : 犯してしまった、過ちの記憶

[メイン] 前原圭一 : 「……あ……」

[メイン] ルシード・グランセニック : 「……やあ、おはよう。悪い夢は覚めたかい?」

[メイン] 前原圭一 : 振るった鉄棒を落とし、へたり込む。

[メイン] 前原圭一 : 「……ぁ……」

[メイン] 前原圭一 : 「うああああああ………ッ!!」
慟哭。今度は、錯乱ではなく。
自分がやった事に対する後悔と。

[メイン] アスラン・ザラ : 「キラ……っ」
それを抱き抱える
今までできなかった分を取り戻すように

[メイン] ルシード・グランセニック : 圭一の肩に手を置くと、静かに語りかける

[メイン] 前原圭一 : 「……」

[メイン] ルシード・グランセニック : 「気にするなよ、アスランは見ての通り頑丈だし、そっちの軍人は見事に避けた」

[メイン] ルシード・グランセニック : 「……それに、僕は殴らず。止めてくれただろう?」

[メイン] ルシード・グランセニック : 「……僕の、知らない過去を悔やんでいるなら」

[メイン] ルシード・グランセニック : 「どうか、語って欲しい、それが、君の癒しになるのなら」

[メイン] 前原圭一 : ……やった事に対する後悔と。
『今回』は踏みとどまれた、安堵だった。

[メイン] 前原圭一 : 「……あ、ああ……」

[メイン] 前原圭一 : 「……ありが、とう……!」

[メイン] ルシード・グランセニック : 「……なに、今日あったばかりだけど、僕らは、こんな面倒事に巻き込まれた仲間じゃないか」

[メイン] アスラン・ザラ : 「……礼なんているか」

[メイン] ルシード・グランセニック : 「気にすんなよ」

[メイン] アスラン・ザラ : 「……戻ってきてくれてよかった」

[メイン] マクギリス・ファリド : 「……そうか。戻ったのか。……良かった」

[メイン] マクギリス・ファリド : ほっと胸をなでおろす。

[メイン] 前原圭一 : 「……俺は……」

[メイン] 前原圭一 : 胸の内を、打ち明けようとして……

[メイン]   : ──足音。

[メイン] 両儀式 : 「……6人か」

[メイン] 両儀式 : 再び、無人の街に足音が響いて

[メイン] 両儀式 : 「全て、問題なし」

[メイン] 両儀式 : 「全員、殺す」

[メイン] ルシード・グランセニック : 「感動のシーンに、殺人姫のエントリーとは……忍者が出てくる方がマシだったね」

[メイン] 前原圭一 : 「……は?」

[メイン] レジギガス : (このレジギガス!!何もせん!!)

[メイン] アスラン・ザラ : 「……!!」

[メイン] 両儀式 : 「何、邪魔したか」

[メイン] 両儀式 : 「安心しろ、すぐ終わる」

[メイン] 両儀式 :

[メイン] 犬飼伊介 :  

[メイン] 犬飼伊介 : ……ん………な、に………?
……浮遊、感……?……アタシ……死んだのぉ……?

[メイン] 犬飼伊介 : それにしては……体が重すぎじゃなぁい〜……?
地獄行きだからぁ〜?……痛っ………めっちゃ全身ズキズキするんだけどぉ……?

[メイン] 犬飼伊介 : 伊介のぼんやりとした視界が、徐々に、徐々に晴れていき────。

[メイン] 犬飼伊介 : 「あ……ん………?……ここ…は………」
目だけをゆっくりと動かし、周囲にいる、あの最初の会場にいた面々が揃っているのを視認した後に。

[メイン] 犬飼伊介 : 「………ッ……!」
伊介の『暗殺者』としての『本能』が告げる。

[メイン] 犬飼伊介 : その瞳の先にいる、一人の少女────両儀式。

[メイン] 犬飼伊介 : 「ちょっ………!?やっばッ………!?アイツが何でここに………!?」
そうしてようやく自覚する────
自分は、どうやらまだ生きている。理由は不明だが、生かされている。
そしてそれと同時に────。

[メイン] 犬飼伊介 : ────生命の危機下にいることに。

[メイン] 犬飼伊介 : 生きてるって思ったのにッ……なぁによこれぇッ………!!
とんだ生き地獄じゃなぁい〜……!?地獄とぜ〜んぜん変わんないじゃないのぉ……!!

[メイン] 犬飼伊介 : 「ハァッ……!ハァッ………!!」
クソッ………!!体が……重ッ…………!!
連戦しすぎちゃったかしらねぇ……!イラつくッ………!!
“暗殺”どころか……”護身”すらもままならないじゃなぁいッ………!!

[メイン] 犬飼伊介 : アイツは────『死』が見える……とか言ってたわねぇ……!!
今もアタシ……アタシらの『死』、見えてんのかしらぁ……!?
クソッ……!!とんだ『死神』よぉ……!!

[メイン] 両儀式 : 「ん?」

[メイン] 両儀式 : 視界の端に見覚えのある人影が写る
確か前殺し損ねた…

[メイン] 両儀式 : 少し目をよこして、すぐに興味を失ったように逸らす

[メイン] 犬飼伊介 : ………チッ……!
眼中に無しってことぉ……??ほぉんと腹立つッ……!!
アイツにも………何もできないアタシ自身に対してもッ………!!

[メイン] 両儀式 : 頭数。ろくに動けないアイツは外すとして

[メイン] 両儀式 : 人型五人。
それ以外が二匹。
合計七。

[メイン] レジギガス : (明日から本気出す)

[メイン] 両儀式 : ……六。

[メイン] 両儀式 : ある程度動けそうなのが数人居る

[メイン] 両儀式 : 仕留めるなら

[メイン] 両儀式 : 「初撃」で仕留められて、「脅威になる」相手

[メイン] 両儀式 : 優先順位。
最初にあの子供、次にその近くの男。
次に金髪を仕留めて最後にデコだ。
後の一人は一般人。いつでも行ける

[メイン] 両儀式 : ──踏み出す

[メイン] 前原圭一 : 「……く、来るッ!?」

[メイン] アスラン・ザラ : 「!」

[メイン] アスラン・ザラ : 瞬間、脚を踏み入れると同時に地面に文様を描き

[メイン] ルシード・グランセニック : 「!?」

[メイン] 両儀式 : 最短、狙いは先描いた通り

[メイン] 両儀式 : 駆けて手に持ったナイフを振るおうとして

[メイン] アスラン・ザラ : 「ヘァーーーーー!!!!!」

[メイン] アスラン・ザラ : その刃は、立ちふさがるように振るわれた脚に弾かれる

[メイン] 両儀式 : 「……!」

[メイン] 両儀式 : 一撃弾かれて宙に浮き上がる
此奴、ここまで速いのか

[メイン] アスラン・ザラ : 「お前……そうか、お前もこのゲームに乗っているっていうのか!何故だ、何故このようなふざけた戦いに……」

[メイン] 両儀式 : 「……力なんて興味はないが」

「全員殺せば帰れるんだろ?」

[メイン] 両儀式 : 「じゃ、殺す」

[メイン] アスラン・ザラ : 「お前はそれでいいのかッ!?」

[メイン] アスラン・ザラ : 次撃に備え拳を構える

[メイン] 両儀式 : それを見て後ろに跳んで

[メイン] 両儀式 : 「そろそろか」

[メイン] 両儀式 : 途端、近くの建物から壁を突き破るように

[メイン] ナイト・オブ・ゴールド : 巨体が姿を現す

[メイン] アスラン・ザラ : 「ッ!!」

[メイン] アスラン・ザラ : それから離れるように跳び

[メイン] 犬飼伊介 : あれは………あの時のぉ………!?

[メイン] アスラン・ザラ : 「この街中にモビルスーツだと……!?」

[メイン] ルシード・グランセニック : 「あんな兵器まで配布されてたのか…!?」

[メイン] ナイト・オブ・ゴールド : 今の主人の意に添うように、砲を構える

[メイン] マクギリス・ファリド : 「馬鹿な……」

[メイン] 両儀式 : 「トリガーはお前が。タイミングを俺に」

[メイン] ルシード・グランセニック : 「……よし、逃げるしかないな!」

[メイン] ルシード・グランセニック : 「ほら、起きてカンナ!少し惜しいけれど、あれ相手に居眠りはさせてられない!」

[メイン] カンナ・カムイ : 「…むがっ…」

[メイン] カンナ・カムイ : その声でぱちりと目を覚まし。
辺りを少し痛む首で見まわしながら。

[メイン] ナイト・オブ・ゴールド : 逃がさない、と言わんばかりに
その巨砲……『バスターランチャー』を向ける

[メイン] カンナ・カムイ : 「……なにあれ…でっかい」
……あれ、こっちを向いてる…ような?

[メイン] ルシード・グランセニック : 「……鉄の巨人相手なら、有利ではあるんだけどさ」

[メイン] ルシード・グランセニック : ケーイチや、カンナがいるのに、あんな化け物をやっつける時間はないんだよね!!

[メイン] カンナ・カムイ : これは……もしかしなくても、マジヤバいというやつだろうか。

[メイン] ナイト・オブ・ゴールド : 完全に分子を崩壊させる威力
放ったそれは島すら容易く消滅させ

[メイン] ナイト・オブ・ゴールド : 最大の威力は
『惑星』を完全に消滅させる

[メイン] アスラン・ザラ : 「冗談は止せ!?」

[メイン] アスラン・ザラ : その砲の射線に、彼らを庇うように飛び込んで
同時にキラを彼らの方へ投げ渡す

[メイン] 前原圭一 : 「うおっ!?」

[メイン] ルシード・グランセニック : 「いや、君も避けなって!!」
斥力操作を使用して、圭一を受け止めると、アスランにも透明の腕を伸ばす

[メイン] アスラン・ザラ : しかし、それを振り払い

[メイン] カンナ・カムイ : あのひかり……私の力よりもぴかぴかして見える…
む、ぅうん…!これは、今からがんばっても、ぶつかり合えるのかな…?

[メイン] アスラン・ザラ : 「避けたところで無駄だ!!こいつの威力は……」

[メイン] 両儀式 : 「撃て」

[メイン] ルシード・グランセニック : 「威力がやばいなら、盾になるのも無理だろ!!とにかく逃げよう!!」

[メイン] ナイト・オブ・ゴールド : 光が、砲から漏れ出す

[メイン] ナイト・オブ・ゴールド : 『戦争』ですら、使うことを禁じられた
禁忌の

[メイン] アスラン・ザラ : 咄嗟、アスランの背中から赤い宝玉が露出し

[メイン] アスラン・ザラ : 『問題ないよ』

[メイン] アスラン・ザラ : そう、背中の者たちに語り掛ける

[メイン] アスラン・ザラ : 心を構成する障壁が、形象を持ってその場に現れる

[メイン] アスラン・ザラ :
Absolute Terror field
絶 対 不 可 侵 領 域

[メイン] 両儀式 : 「バリア?」

[メイン] アスラン・ザラ : 襲い来る光をそれにて受け止める

[メイン] ナイト・オブ・ゴールド : 心の壁 今砲を阻んでいるのは心の壁そのものか

[メイン] アスラン・ザラ : これならば、威力が4000以下の攻撃ならば無傷で受けられる

[メイン] アスラン・ザラ : 4000以下なわけねえだろこれが

[メイン] アスラン・ザラ : 殺しきれなかったエネルギーが、周囲に飛び散らなかった分纏めてその身体に叩き込まれる

[メイン] ナイト・オブ・ゴールド : ……受けきれなかったとはいえ
止めた

[メイン] 両儀式 : 「……威力を抑えたとはいえバスター砲だぞ」

[メイン] アスラン・ザラ : 激しく地面に叩きつけられる

[メイン] 前原圭一 : 「あ、アスランッ!?」

[メイン] レジギガス : (ちょうしが わるいぜ)

[メイン] 両儀式 : 威力を抑えたとはいえ、この辺の陸地まるごと消すくらいは出来るはずだ

[メイン] 両儀式 : ……どうやって止めた
彼奴は

[メイン] ナイト・オブ・ゴールド : 目の前の男までで威力は殺されたが

[メイン] ナイト・オブ・ゴールド : その絶大な威力が

[メイン] ナイト・オブ・ゴールド : 空間を歪める

[メイン] アスラン・ザラ : 「お前ら、大丈夫か?……!?」

[メイン] ルシード・グランセニック : 「なんとかね……」

[メイン] カンナ・カムイ : 「むっ、ぐむうう……」
何とかいたくはないけど、でもあれをどうすれば……

[メイン] 両儀式 : 初めて此奴を動かした時は驚いたものだ
こんなデカブツがよく動く

[メイン] 両儀式 : 何より驚いたのはこいつの背負ってる大砲だ

[メイン] 両儀式 : 試しに撃ってみた時
『空』が歪んだんだからな

[メイン] マクギリス・ファリド : 「……あのモビルスーツは空間を歪ませるほどの砲撃が可能なのか」

[メイン] 両儀式 : そして視えたんだ

[メイン] ルシード・グランセニック : 「空間ねぇ……金ピカの輩は大抵、とんでもない真似をする」

[メイン] 両儀式 : 此奴が空間を歪ませてくれた時

[メイン] 両儀式 : 空間の壁にある『点』と『線』ってやつが

[メイン] 両儀式 : 歪んだ空をなぞる様に刃を振るう

[メイン] アスラン・ザラ : 「何を……!?」

[メイン] 前原圭一 : 「アスラ……っ」
アスランの方へ駆け出そうとして

[メイン] 両儀式 : お前が切れ込みを作って
俺が開く

[メイン] 両儀式 : 薄皮のように空は切れて

[メイン] 両儀式 : 顔を出す
あの男の『神域』

[メイン] 両儀式 : まだよく動けないはずの目の前の男に駆け寄って

[メイン] アスラン・ザラ : 「!?」

[メイン] 両儀式 : そのまま
跳びながら蹴り込み
切れた裂け目の中に、諸共飛び込む

[メイン] アスラン・ザラ : 「ヌヴォ!?」

[メイン] 両儀式 : 「お前を殺してすぐにあいつらを追う」

[メイン] アスラン・ザラ : 「チィッ……!」

[メイン] アスラン・ザラ : 叩き込まれた瞬間、出口の方へ駆け出して

[メイン] 両儀式 : 「逃げるつもりか」

[メイン] アスラン・ザラ : 外の者たちに向かって、叫ぶ

[メイン] アスラン・ザラ : 「必ず戻る!!!」

[メイン] アスラン・ザラ : 「後は頼んだ!!!」

[メイン] 両儀式 : 「……!」

[メイン] 前原圭一 : 「アスラン、どういう……」

[メイン] ルシード・グランセニック : 「……わかった、君も無事でいてくれよ!!」

[メイン] アスラン・ザラ : そう叫ぶと、式の方に振り返り

[メイン] アスラン・ザラ : 渾身の力を込めた裏拳で

[メイン] アスラン・ザラ : 自ら、退路となる空間の裂け目を、叩き割る

[メイン] 前原圭一 : 「アスラン!!」

[メイン] アスラン・ザラ : 「……ここなら存分に戦える」

[メイン] 両儀式 : 「追わせないつもりか」

[メイン] アスラン・ザラ : 「ああ。お前はこれで追えない。それに……」

[メイン] アスラン・ザラ : 「俺はここでお前を討つ」

[メイン] 両儀式 : 「分かりやすくて助かるな」

[メイン] 両儀式 :

[メイン] アスラン・ザラ :

[メイン] 両儀式 :

[メイン] アスラン・ザラ :

[メイン] 六道オビト :  

[メイン] 六道オビト :  

[メイン] 六道オビト :  

[メイン] 六道オビト : 男が、荒れ果てた荒野を歩く

[メイン] 六道オビト : 歩みから数刻遅れ、踏まれた大地に芽が芽吹く

[メイン] 六道オビト : 男が荒野を突き進む

[メイン] 六道オビト : 鳥が、虫が
その大地の後ろにて蠢き、飛び立つ

[メイン] 六道オビト : 「……決着はもうすぐだ」

[メイン] 六道オビト : 辺りを一瞥する

[メイン] 六道オビト : 「……どうした、出てこないのか?」

[メイン] 六道オビト : 本来はそこに呼びかけるには不自然な問い

[メイン] 六道オビト : しかし、それは神の如くこの島全体に響く声で─────

[メイン] ルシード・グランセニック : 声に応えたか、あるいは痺れを切らしたか
わざとらしい程に瓦礫を吹き荒らしながら、電磁の嵐を纏い、ルシードが飛び出してくる

[メイン] ルシード・グランセニック : コイツが敵である事は、いくつかの接触で調べが付いている。
ならば──

[メイン] ルシード・グランセニック : 周囲に吹き荒れる瓦礫へ指示を出し、鉄塊じみたガレキの群れをオビトへ向かい放射する

[メイン] 六道オビト : 「………」

[メイン] 六道オビト : 何かと思えば…この程度の小細工か
浅知恵以下だ

[メイン] 六道オビト : 鈴の根が鳴り、右手に錫杖が握られる

[メイン] ルシード・グランセニック : まるで、東洋の聖者の装いを感じさせる。不気味に変形した体

[メイン] 六道オビト : それにて、ガレキの群れに錫杖を充てるように

[メイン] ルシード・グランセニック : その異様に、目を取られすぎたのだろう。

[メイン] 六道オビト : 不可思議とはまさにこの事、錫杖に触れたガレキはその接触のみで勢いを完全に殺される

[メイン] 六道オビト : 「……どこを見ている?」

[メイン] ルシード・グランセニック : 「なっ…!?この質量を──」

[メイン] 六道オビト : ルシードの右隣に

[メイン] 六道オビト : 黒い球が一つ

[メイン] ルシード・グランセニック : ゆうにビル一棟を超える質量をあっさりと受け止められ、唖然とする男の隣に
明らかな異常を示す、黒い球体

[メイン] ルシード・グランセニック : 「これは──ッ!」

[メイン] 六道オビト : 黒い球が神々しく光り───

[メイン] 六道オビト : 「悪いがこれで終わりだ」
爆発を示唆するかのよつに球体を光らせつつ

[メイン] ルシード・グランセニック : 「爆弾かよッ!!」

[メイン] ルシード・グランセニック : 咄嗟の斥力操作で、強引に自身の体を跳ね飛ばし、爆発寸前の球体から離れようと宙へ舞う

[メイン] 六道オビト : ───そして

[メイン] ルシード・グランセニック : ───だが

[メイン] 六道オビト : 大爆発
宙に浮くルシードを巻き込むように爆風が広がる

[メイン] ルシード・グランセニック : 歴戦の戦士の反応に比べ、ルシードのそれは幼稚なソレだ

[メイン] ルシード・グランセニック : 世界を塗りつぶすような閃光から逃れられず、全身を焼かれる羽目になる

[メイン] ルシード・グランセニック : 「グッ──!? うぁぁぁ!!」

[メイン] ルシード・グランセニック : それでも、焼き尽くされる前に と
必死に光の中から、燃え損ないの魔星が迷い出る

[メイン] ルシード・グランセニック : 「なんて、メチャクチャな……!!」

[メイン] 六道オビト : 男は歩みを止めず、そのままルシードの方にと近付く

[メイン] 六道オビト : 変わらず歩んだ後の地には命が芽吹き、息吹く

[メイン] ルシード・グランセニック : 息を切らし、呼吸を整える事に集中しながらも、その異様さに目を見張る

[メイン] ルシード・グランセニック : まるで、命の円環をその体内に宿すような異常光景、さながら───

[メイン] ルシード・グランセニック : 「……仙、人様ゴフッ 、にしては物騒だよな」

[メイン] ルシード・グランセニック : 恐怖に歪む頬を、必死に抑えて皮肉をこぼす

[メイン] 六道オビト : 「クククク……その仙人だと言えば?」

[メイン] ルシード・グランセニック : 「……なに?」

[メイン] ルシード・グランセニック : 冗談じみたその言葉に、狼狽し、思わず聞き返す

[メイン] 六道オビト : 背後の黒い球が一つ、男の前に出て─────

[メイン] 六道オビト : 変形、圧縮、収束

[メイン] 六道オビト : 一瞬の輝きの元

[メイン] 六道オビト : 黒い球だった何かが、光線と成り果てルシード目掛けて飛来する

[メイン] ルシード・グランセニック : 「──クソ、タレぇぇ!!!」

[メイン] ルシード・グランセニック : 一個だけでも瀕死だってのに、集中したのに命中すれば──

[メイン] ルシード・グランセニック : 最悪の未来を覆す為、磁力を利用し、「自分の体を射線から逸らしたはいいが……

[メイン] ルシード・グランセニック : 「ゴフッ!?」

[メイン] ルシード・グランセニック : 掠りもせず、余波が届いただけで、ルシードの体の一部が沸騰した

[メイン] 六道オビト : 「…さて、オレもそろそろ体を動かさねばな」

[メイン] ルシード・グランセニック : 損傷した内臓から、赤黒い粘液が口へと噴射され、外へと溢れ落ちていく

[メイン] 六道オビト : 前屈みとなり

[メイン] ルシード・グランセニック : ルシードは必死に、目を凝らす

[メイン] 六道オビト : ─────その場から消える

[メイン] ルシード・グランセニック : 来る、準備動作さえ見え──ッ!

[メイン] 六道オビト : ルシードの腹部に、自分なりに『最大限加減した』拳を

[メイン] 六道オビト : しかしそれは、神の如く破壊力を籠したいわば神拳

[メイン] ルシード・グランセニック : 当たれば即死、迎撃すれば玉砕必須
必然的に、避けるしかなく──

[メイン] 六道オビト : 手加減の極みであろうとも、直撃はその男の体躯を遥か彼方に吹き飛ばすには十分すぎるほどの破壊力だろう

[メイン] ルシード・グランセニック : 咄嗟に付与した電磁力、相手をS極へ、自身もまた──
犬飼との戦いで乱用した手札で、直撃だけはなんとか避けて……

[メイン] 六道オビト : 念入りに、ルシードの左右に黒い球が設置しようとふわふわと動かす

[メイン] ルシード・グランセニック : そのまま、蹴り飛ばされた石ころのように吹き飛んでいく

[メイン] 六道オビト : 追撃の黒い球は、放たない

[メイン] ルシード・グランセニック : そのまま、一丁ほど街を飛ばされると、ルシードは壁に大きな音を立てて叩きつけられる

[メイン] ルシード・グランセニック : 「──」

[メイン] ルシード・グランセニック : 肺の中の空気が吐き出され、呻き声さえあげられず、その場に蹲る

[メイン] ルシード・グランセニック : 酸素を求めて開く口も、あまりの衝撃に身体機能が錯乱し、満足に呼吸を行えない

[メイン] ルシード・グランセニック : ぜひ……ぜひ……
ままならない呼吸の音が耳障りで仕方がない

[メイン] ルシード・グランセニック : あの怪物が、今にも迫っているかもしれないのに、蹲っているわけには……!

[メイン] 六道オビト : その思い通りに、男は歩み続ける

[メイン] ルシード・グランセニック : 揺らぎ続ける視界に、こちらに迫る脅威を見て、全細胞に喝を入れて、強引に体を起き上がらせる

[メイン] ルシード・グランセニック : 「君、さ……こんなに強くて、まだ満足できないのかい?」

[メイン] 六道オビト : 「…何がだ?」

[メイン] ルシード・グランセニック : 「いや、さ。君が黒幕ってのはわかるんだけど、それ以上が、どうして必要なんだ?」

[メイン] ルシード・グランセニック : 「もう、充分強いじゃないか、安心して生きるとかなら、十二分ってレベルじゃない」

[メイン] ルシード・グランセニック : それこそ、世界征服さえ夢ではないだろう。
今でさえ底なしとさえ思える力で、一体この男は“なにができない”って言うんだ?

[メイン] 六道オビト : クッ……ククク

[メイン] 六道オビト : 笑みを浮かべて

[メイン] 六道オビト : 「簡単さ」

[メイン] 六道オビト : 「世界の平和の為」

[メイン] ルシード・グランセニック : 「……そりゃ、良いね。僕も大好きなんだ、けどさ」

[メイン] ルシード・グランセニック : 「それ、誰が君にやってくれって頼んだんだよ」

[メイン] 六道オビト : 「…そうさな」

[メイン] 六道オビト : 少しため息を吐き

[メイン] 六道オビト : 「地獄を見た何も知らぬガキの頃のオレが」

[メイン] 六道オビト : 「今のオレにやれと頼んだ」

[メイン] ルシード・グランセニック : 「……」

[メイン] ルシード・グランセニック : 「じゃ、もう一個聞くけど……お前が齎した平和を、歓迎してくれる奴は、いるのかい?」

[メイン] ルシード・グランセニック : 「よくやったって、褒めてくれる人は?」

[メイン] 六道オビト : 「………」

[メイン] ルシード・グランセニック : 「ありがとうって、お礼を言う友達は?家族は?恋人は?」

[メイン] 六道オビト : 「救世主に祝福が必要とでも?」

[メイン] ルシード・グランセニック : 「当たり前だろ?」

[メイン] 六道オビト : 「友も、家族も、恋人も」

[メイン] 六道オビト : その男から感じられる感情は、憎悪や決心、苦悩や苦心

[メイン] 六道オビト : 「そんなものはとうの昔に全て喪くした!」

[メイン] ルシード・グランセニック : 「……じゃあさ、少し振り返ってみろよ」

[メイン] ルシード・グランセニック : 「その人達に、胸を張って自分のやった事を言えるのかってさ!」

[メイン] 六道オビト : 「………言える」

[メイン] 六道オビト : 「何故なら」

[メイン] 六道オビト : 「この日をもって人類最後の流血となるからだ」

[メイン] ルシード・グランセニック : 「……ああ、そうかい」

[メイン] 六道オビト : 「世界平和をありとあらゆるものが望んでいる」

[メイン] ルシード・グランセニック : 「……あらゆる者、ねぇ」

[メイン] ルシード・グランセニック : 足は、とっくに限界で、ガタガタ震えながらギリギリでルシードを支えている

[メイン] ルシード・グランセニック : 顔は血まみれで、髪もボサボサ…なんとも……負け犬らしい様としか言いようがない

[メイン] ルシード・グランセニック : 「悪いけど、君に押し付けられる平和は、受け取れないね」

[メイン] ルシード・グランセニック : 「僕の大事な人達を生贄にするやり方で手に入る平和なら……最初から、願い下げだってんだよッ!!」

[メイン] 六道オビト : 「数多くのものが戦争や飢餓、差別で命を失っている」

[メイン] 六道オビト : 「オレは誰も手を差し伸べようとしないその者達を救うために立ち上がったと言うのだ!」

[メイン] 六道オビト : 「なぜ平和を拒む!」

[メイン] ルシード・グランセニック : 「……質問に質問で返すけどさ」

[メイン] ルシード・グランセニック : 「もしも、君の喪くしたっていう人達が、世界平和の犠牲ですって言われたら───」

[メイン] ルシード・グランセニック : 「君、そんな物が平和だって認められるのかい?もしもそうなら、心の底から尊敬するよ」

[メイン] 六道オビト : 「………」

[メイン] ルシード・グランセニック : 「世界は平和になる、なのでお前の平穏に必要な大事な人を生贄に寄越せ?」

[メイン] ルシード・グランセニック : 「……そりゃ、拒むでしょ」

[メイン] ルシード・グランセニック : 命をかけてでも

[メイン] 六道オビト : ルシードの前に、黒い球を一つ飛ばす
ただ、それが男の1m前にてその動きは停止する

[メイン] 六道オビト : 「今度はこちらから質問だ。答えたくなければ目の前の求道球がその報酬をくれてやる」

[メイン] ルシード・グランセニック : 「……ああ、わかったよ」

[メイン] 六道オビト : 「お前は大切な人間を失った悲しみを知っているか?」

[メイン] ルシード・グランセニック : 「……そうだね」

[メイン] ルシード・グランセニック : 「僕は知らない、守ろうとして、まあ、満足できる程度にはずっとやり遂げて来た」

[メイン] ルシード・グランセニック : 「だから、君には共感できないし───」
そもそも、自分の大切な人を、平和なんていう曖昧なモノの糧にする奴を、理解したくない

[メイン] 六道オビト : 「───そうか」

[メイン] 六道オビト : 「生憎と────人間はお前みたいに強くないのさ」

[メイン] 六道オビト : 「だから、曖昧なものに縋りそれを糧にして人間は歩み続けた…結果がこれだ」

[メイン] ルシード・グランセニック : 「……」

[メイン] 六道オビト : そう、人間の歩みなど所詮はそうだ
幾らあの女のように技術や酔いが有ったとしてもそこから逸脱することなど出来やしない

[メイン] 六道オビト : 「……ああ、そうか」

[メイン] 六道オビト : 「そもそも貴様は人では無かったな」

[メイン] ルシード・グランセニック : 「……ああ、そうだよ」

[メイン] ルシード・グランセニック : 「最後に抱いた物に永遠に縛られる、生きる屍って奴だね」

[メイン] ルシード・グランセニック : ルシードの場合、それは”恐怖“

[メイン] ルシード・グランセニック : 自身を処断する何事の奇策も通じない怪物への恐怖、それが。

[メイン] ルシード・グランセニック : 今のルシードを作る、精神太源。
「負け犬にお似合いな、僕らしい生き様だよ」

[メイン] 六道オビト : 「………」

[メイン] 六道オビト : 「ならば夢の世界に、そうでなくとも──」

[メイン] 六道オビト : せめて、己1人のみが恐怖を受ける世界に

[メイン] 六道オビト : 作り替えてやろう

[メイン] 六道オビト : 世界への革命は、もうすぐだ

[メイン] ルシード・グランセニック : 「……もう、大詰めって気分かもしれないけど」

[メイン] ルシード・グランセニック : 「生憎、まだまだ……君に、文句があるって奴は残ってる」

[メイン] ルシード・グランセニック :  

[メイン] ルシード・グランセニック : 「出番だよ、待たせて悪かったね。みんな」

[メイン] ルシード・グランセニック :  

[メイン] ルシード・グランセニック : 電磁嵐、そして斥力を螺旋状に発動して。
一気に埃や塵を吹き上げ視界を曇らせ──

[メイン] 六道オビト : 求道の球を、一時自身に引き寄せて

[メイン] 前原圭一 : その地面に、バットを叩きつける

[メイン] 前原圭一 : 「……一人で行くなって、言ったばかりだろ!?」

[メイン] 六道オビト : バットの音を聞き

[メイン] 六道オビト : 「……お前か」

[メイン] ルシード・グランセニック : 「いや、悪いね……時間を稼がないと、ダメな用事があってさ」

[メイン] 前原圭一 : 「何が一人で背負い込むなだよ!お前だって大概じゃねえか!!」

[メイン] 前原圭一 : 「時間稼ぎくらい、付き合わせろよ!!」

[メイン] ルシード・グランセニック : 「…不安だったんだよ、ごめん」

[メイン] 六道オビト : 「…今更お前が来たところで何になる!」

[メイン] 前原圭一 : 「いいぜ、教えてやる」

[メイン] 六道オビト : 「……ほう」

[メイン] 前原圭一 : 「オレは超能力なんか使えねえんだこの野郎!!」

[メイン] 前原圭一 : と、地面を叩いてそう叫ぶ

[メイン] 六道オビト : 「ク……ククク…ハハハハハハハハハッ!!!」

[メイン] ルシード・グランセニック : 「……素直に明かすんだね、そこは」

[メイン] 六道オビト : 「開き直りとは、片腹痛い!!」

[メイン] 前原圭一 : 「暗殺とかやれるわけでもねえし」

[メイン] 前原圭一 : 「なんか特別な人外とかでもねえ」

[メイン] 前原圭一 : 「悪魔の力だって持ってねえし」

[メイン] 前原圭一 : 「デコも出てねえ!!」

[メイン] 六道オビト : 「……」

[メイン] 六道オビト : 「そんな威勢だけの貴様が今更何ができると問うているのだ!」

[メイン] 前原圭一 : 「お前に勝てる」

[メイン] 六道オビト : 「やってみろ」

[メイン] ルシード・グランセニック : 「……で、ここからどうするんだい?」

[メイン] 六道オビト : 脳裏に浮かぶのは、幼き日の自分

[メイン] ルシード・グランセニック : 「僕は割と死にかけで、相手は元気いっぱいなんだけどさ…」

[メイン] マクギリス・ファリド : 翼が開く

[メイン] 六道オビト : 力も何も無く、威勢だけの───

[メイン] 六道オビト : ……幻想に過ぎん

[メイン] 前原圭一 : 「……!」

[メイン] マクギリス・ファリド : 「よく言った。圭一君」

[メイン] マクギリス・ファリド : ……この島全体に聞こえるように

[メイン] マクギリス・ファリド : スピーカーの音量を上げて

[メイン] マクギリス・ファリド : 「革命は終わっていない!!」

[メイン] マクギリス・ファリド : 「諸君らの気高い理想は、決して絶やしてはならない!」

[メイン] マクギリス・ファリド : 「アグニカ・カイエルの意思は、常に我々とともにある!」

[メイン] マクギリス・ファリド : 「ギャラルホルンの真理はここだ」

[メイン] マクギリス・ファリド : 「皆、バエルのもとへ集え!!!」

[メイン] 前原圭一 : 「バエルだ!!」

[メイン] ルシード・グランセニック : 「知ってるのかい!?」

[メイン] 前原圭一 : 「アグニカ・カイエルの魂!!」

[メイン] 六道オビト : 「ククク……革命は終わっていないか」

[メイン] 六道オビト : 「真理だな、そして今日貴様達の革命は潰えオレの革命が為される!」

[メイン] マクギリス・ファリド : 「どうかな。その答えは未来のみが知っている!!」

[メイン] 前原圭一 : 「ああ、これから紡ぐ未来はな」

[メイン] 前原圭一 : 「未来を見ようとする奴にしか見えねえんだよ!!」

[メイン] レジギガス : (……4ターン目……)

[メイン] 六道オビト : 「………チッ」

[メイン] 六道オビト : 苛立たしい
未来を見ようとするだと?くだらん

[メイン] 六道オビト : そんなことをして何になる
それをしたところで取り返しのつかない失敗を犯すだけだ

[メイン] ルシード・グランセニック : 「……やってみなければわからない、なんてセリフは苦手なんだけど、やるしかないってのが、いやらしいよねぇ」

[メイン] 六道オビト : 背後の黒い球が、分裂する

[メイン] 六道オビト : その形が、一本の線となり

[メイン] 六道オビト : 四つ線は、四角を描くように互いを結合する

[メイン] 六道オビト : それが、五つ

[メイン] 六道オビト : 四角の空洞となる中心からは

[メイン] 六道オビト : 炎、水、雷、土、風

[メイン] ルシード・グランセニック : 攻撃の予兆を見るや否や、周囲へと磁界を展開して、迎撃準備を始める

[メイン] 六道オビト : 六道の五行を構築し

[メイン] 六道オビト : それを3人に向け発射する

[メイン] マクギリス・ファリド : 「フッ……下がっていたまえ」

[メイン] マクギリス・ファリド : 展開した装甲、取り出した剣

[メイン] マクギリス・ファリド : それを逆手に持ち

[メイン] 六道オビト : 風が都市を切る
雷が都市を止める
炎が都市を燃やす
水が都市を流す
土が都市を埋める

[メイン] 六道オビト : 「そのような剣で!」

[メイン] 六道オビト : 「このオレは止められはせんぞ!」

[メイン] マクギリス・ファリド : 「ただの剣ではない」

[メイン] マクギリス・ファリド : 「大地を斬り、海を斬り、空を斬り」

[メイン] マクギリス・ファリド : 「そして全てを斬る」

[メイン] マクギリス・ファリド : 剣が光に包まれ、それと同時に

[メイン] マクギリス・ファリド : 「バエル」

[メイン] マクギリス・ファリド : 飛来するものを

[メイン] マクギリス・ファリド : 「ストラッシュ!!」

[メイン] マクギリス・ファリド : 両断する

[メイン] 六道オビト : そうこなくては

[メイン] 六道オビト : 面白くない

[メイン] 六道オビト : 役目を終えた四角は、天にと登り

[メイン] 六道オビト : 空を、無数の綺羅星が如く

[メイン] 六道オビト : 黒の棒を、天より3人目掛けて射出する

[メイン] 前原圭一 : 「ッ!?」

[メイン] マクギリス・ファリド : 「ダインスレイヴ!?」

[メイン] 六道オビト : そう

[メイン] 六道オビト : 北欧の魔剣の名を冠した武器の再現

[メイン] マクギリス・ファリド : 「くッ……!!」

[メイン] 六道オビト : 衛生軌道上から悪魔達の死を再現せんとそれを放つ

[メイン] マクギリス・ファリド : 私だけなら躱せるが……彼らを庇うのは……!

[メイン] ルシード・グランセニック : 「……重力を味方につけた、質量兵器か」

[メイン] レジギガス : ゴリ(圭一を掴む音)

[メイン] 前原圭一 : 「ぐぇ」

[メイン] ルシード・グランセニック : 「なら、敵に回すとどうなるかってのを、試してみようかなッ!」

[メイン] ルシード・グランセニック : 遥か彼方の空へ、力場を展開して、重力の落下方向を変換する。
更に、磁力を付与してみれば──

[メイン] レジギガス : ゴリゴリ(圭一を握る音)

[メイン] 前原圭一 : 「いたいいたい」

[メイン] ルシード・グランセニック : オビトへ向かい
矛先を捻じ曲げられたダインスレイブが突撃していく

[メイン] 六道オビト : ───ほう

[メイン] 六道オビト : 口寄せの術

[メイン] 六道オビト : 手を地面に当て、己もまた屈む

[メイン] 六道オビト : 六道たる男に向かって飛び掛かる魔剣を受けるのは

[メイン] キマリストルーパー : 今は半壊しその役目を終えた四足の悪魔

[メイン] マクギリス・ファリド : 「……!」

[メイン] キマリストルーパー : 杭が、その機体に深く突き刺さり

[メイン] キマリストルーパー : 爆炎を上げる

[メイン] 六道オビト : その直下の男には、当然傷1ついかず

[メイン] ルシード・グランセニック : 「……まいったな、あんな手駒まであったのか」

[メイン] マクギリス・ファリド : 「チッ……!なんという……!」

[メイン] 六道オビト : そのまま

[メイン] レジギガス : ギュッギュッ(圭一を握る音)

[メイン] 六道オビト : 男は姿を消し

[メイン] 前原圭一 : 「なんだよさっきから!?」

[メイン] : ピキッ、と地面から音を立てて

[メイン] 六道オビト : 地中から、爆炎を伴って3人の眼前に現れる

[メイン] レジギガス : 圭一を握る腕

[メイン] レジギガス : それは何処か
前より力が込められていて

[メイン] レジギガス : こうげき種族値実質80のような、ろくに動けもしない貧弱さは感じられず

[メイン] 六道オビト : 今更動いた所で───

[メイン] レジギガス : 既に、こうげき種族値160を取り戻していた

[メイン] 前原圭一 : 「お、お前……」

[メイン] レジギガス : レジギガスは 調子を取り戻した!

[メイン] ルシード・グランセニック : 「……なんだか調子良さそうだけど、今、アイツが目の前だよッ!」

[メイン] 六道オビト : 「それがどうした!」

[メイン] 六道オビト : レジギガスに向け、その左拳を叩き込もうと地中より出た脚を踏み込ませ

[メイン] レジギガス : その拳
容易く放たれた拳を掴み止める

[メイン] 六道オビト : 生き物なのかどうか実のところ定かではないが───

[メイン] レジギガス : そして

[メイン] 六道オビト : 何……?

[メイン] レジギガス : に ぎ り つ ぶ す

[メイン] 六道オビト : 「グッ………!?」

[メイン] レジギガス : グシャ(人の肉がひしゃげる音)

[メイン] 六道オビト : 六道、とまではまだ行きはしないが、それでも己が拳を握りつぶしたそれに脅威を改め

[メイン] 六道オビト : すぐさまその眼でその巨人の記憶を読み取り──

[メイン] 六道オビト : 口角を三日月にあげて

[メイン] レジギガス : 「アイアム…ナンバワン…ストロングポケモン…」

[メイン] 六道オビト : 「…いいや」

[メイン] 六道オビト : 「貴様の同胞を滅ぼしたものがいるだろう?」

[メイン] 六道オビト : 黒球は、いつしか17つに増え

[メイン] レジギガス : 「……」
歯軋り。こいつ歯あんの?

[メイン] 六道オビト : それが天にと昇る

[メイン] 六道オビト :  

[メイン] 六道オビト :  

[メイン] レジギガス : 「……私の同胞を滅ぼした奴?」

[メイン] 六道オビト :
さ ば き の つ ぶ て

[メイン] 六道オビト :  

[メイン] 六道オビト :  

[メイン] レジギガス : 「邪智暴虐美輪明宏のことか……」

[メイン] 六道オビト : 記憶から読み取った破壊の礫

[メイン] レジギガス : 「邪智暴虐美輪明宏のことかーーーーーー!!!!!」

[メイン] ルシード・グランセニック : 「……君、喋らない時の方がよかったよ」

[メイン] 六道オビト : それを無数に分裂させ、あらゆる属性を付与し降り注がせる

[メイン] レジギガス : おめでとう! ギガスは 伝説の超ギガスに 進化した!

[メイン] 前原圭一 : 「お、おう!?」

[メイン] レジギガス : 「圭一……私に命令を出セ」

[メイン] 前原圭一 : 「……お?」

[メイン] ルシード・グランセニック : 圭一と自分の周りに、飛来物の軌道を逸らす気流を作り保護する

[メイン] レジギガス : 「私に本気を出させロと言ってるんダ!!」

[メイン] 六道オビト : …怒りだと?

[メイン] 六道オビト : そんなもの、既に超越したというのに

[メイン] 六道オビト : なぜオレは───?

[メイン] 六道オビト : ……左腕の感覚をなんとか取り戻させ

[メイン] 六道オビト : 己が背後には、黒い球が8つ

[メイン] 前原圭一 : 「お、おう……」

[メイン] レジギガス : 「圭一」

[メイン] レジギガス : 「気合い入れてこう叫ベ」

[メイン] レジギガス : 「━━━━━」

[メイン] 前原圭一 :

[メイン] 前原圭一 :

[メイン] 前原圭一 : 「ああっ!!!」

[メイン] 前原圭一 : 「レジギガス!!!!!!」

[メイン] 前原圭一 : 「“ギガインパクト”!!!!!」

[メイン] レジギガス : 「“了”!!!!!!」

[メイン] 六道オビト : ……何故だ?

[メイン] 六道オビト : 何故そうまでして戦おうとする

[メイン] レジギガス : 圭一を肩に乗せ、全身から闘気を立ち上らせる

[メイン] 六道オビト : 「平和の邪魔をするな!」

[メイン] 六道オビト : 何故オレも、ここまで──?

[メイン] 前原圭一 : 「平和だぁ!?」

[メイン] 前原圭一 : 「ふざけたこと言ってんじゃねえ……」

[メイン] 六道オビト : 「大切なものを失わない世が欲しいとは思わないのか!」

[メイン] 前原圭一 : 「諦めの先に待ってるような平穏は平和じゃあねえ!!!!」

[メイン] 六道オビト : 「貴様達が否定するは万楽の理想郷!争いの無い世界だと言うのに!」

[メイン] 六道オビト : ────諦めている
オレが、まさか?

[メイン] 六道オビト : そんなはずが、あってはならない

[メイン] 前原圭一 : 「そいつは、“停滞”だぁ!!!!!」

[メイン] 六道オビト : あの女にも誓ったのだ
酔いを醒めさせないと

[メイン] ルシード・グランセニック :

[メイン] レジギガス : 込められた力が、迫る全てを砕き

[メイン] 六道オビト : 「ウオォォォォ!!!!」

[メイン] 六道オビト : 男が猛り

[メイン] 六道オビト : 黒い球が

[メイン] 六道オビト :  

[メイン] 六道オビト :  

[メイン] 六道オビト : 四本の巨腕となりて

[メイン] 六道オビト : その手を、それぞれ祈るように重ね

[メイン] 六道オビト : 文字通り破壊そのものの光線を、その場に向け乱雑に発射する

[メイン] 前原圭一 : 「お前は英雄なんかじゃねえ!!!」

[メイン] 前原圭一 : 「お前は、泣いて、悲しんで、転がり落ちて!!」

[メイン] 前原圭一 : 「絶望して、“諦めた”だけだろうが!!」

[メイン] レジギガス : その巨体はそれを突き破り

[メイン] レジギガス : 中心。
男を捉える

[メイン] 六道オビト : ───やる事は変わらない
黒腕でそれを中心。守るように展開する

[メイン] 六道オビト : 絶望だと…?

[メイン] 六道オビト : ああ、したとも
それがどうした

[メイン] 六道オビト : 「痛みを知らぬ貴様如きが!」

[メイン] 六道オビト : 「一度知れば誰もがオレの言葉に賛同するだろう!」

[メイン] 六道オビト : 「諦めろ!」

[メイン] 前原圭一 : 「それだけが、世界の全てじゃない!!」

[メイン] 前原圭一 : 「お前だって知ってるはずだ!!!」

[メイン] レジギガス : 巨人は肩に乗せた圭一を投げ飛ばす

[メイン] レジギガス : オビトに向けて

[メイン] ルシード・グランセニック : 「雑なんだよ!!」

[メイン] 六道オビト : 巨人によって僅かに吹き飛ばされた男は、その腕を一本の剣に

[メイン] ルシード・グランセニック : 巨人の投擲に合わせ、オビトへ向かい圭一を斥力操作で持って誘導する

[メイン] 六道オビト : 名を、ぬのぼこの剣
六道の神が世界の創造に用いたとされる神剣

[メイン] 六道オビト : 「あるのは絶望だけだ!雑でならなければならない!戦争や厄災は終わりやしないのだから!」

[メイン] 前原圭一 : それに対するは、普通の金属バット

[メイン] 前原圭一 : あまりにも、力不足で

[メイン] 前原圭一 : しかし

[メイン] 前原圭一 : 「そんな事!!!」

[メイン] 前原圭一 : 「確かに、アンタの作る世界はスゲーいい世界なのかもしれねえ!!そして今の世界はクソなのかもしれねえ!!」

[メイン] 六道オビト : 「そうと理解して何故!」

[メイン] 前原圭一 : 「……それでも」

[メイン] 六道オビト : 神剣を構えつつ、問い叫ぶ

[メイン] 前原圭一 : バットを振りかぶって

[メイン] 六道オビト : 刀を振りかぶり

[メイン] 前原圭一 : 「守りたい世界があるんだよぉぉ!!!」

[メイン] 六道オビト : 月を背景に

[メイン] 六道オビト : 神剣とバットが交錯するが───

[メイン] : チャクラとは、繋ぐ力

[メイン] : 祖の扱うそれは、一際強く

[メイン] : 故に、想いの力を糧とする

[メイン] : だからこそ

[メイン] 前原圭一 : 「うっぐぅ!!」

[メイン] : 想いの力による付加は

[メイン] : 彼の、その何の変哲もない武器にも

[メイン] 六道オビト : …神剣とただのバット
なるほど答えは明確だ

[メイン] 六道オビト : ───否

[メイン] 六道オビト : 馬鹿な────

[メイン] 六道オビト : 何故オレの剣が先に────折れて
いやそもそも何故オレの……?

[メイン] 前原圭一 : と、同時に
ぶつかり合った衝撃に耐えきれなかった手が

[メイン] 前原圭一 : バットを離して、それは何処かへと飛んでいく

[メイン] ルシード・グランセニック : 「っ!」

[メイン] 六道オビト : 疑念、困惑、焦燥
あらゆる感情を

[メイン] 六道オビト : 男の神の如き姿が解けようとし───

[メイン] 前原圭一 : 体制を崩して
月夜の中、そこに残っていた建物の天井に落下

[メイン] 六道オビト : 男もまた、その天井にと

[メイン] 六道オビト : 姿は

[メイン] オビト : 神の力を得る前のそれに

[メイン] 前原圭一 : ……立ち上がる気力も、体力もある
その男に対して、圭一は
当分、身体は動かないだろう

[メイン] 前原圭一 : 倒れたそれに、トドメを刺すのは
容易

[メイン] オビト : 神剣は既に無く

[メイン] オビト : 手元にあるのは一本のクナイ

[メイン] オビト : しかしそれは彼を殺すには十分過ぎる

[メイン] 前原圭一 : 「……へへ」

[メイン] オビト : 一歩、前に
本来の男なら、それは瞬間で済むそれを、ゆったりと

[メイン] オビト : 「クク……」

[メイン] オビト : 一歩、また一歩と遅く歩く

[メイン] オビト : その歩みは、近づくにつれてどんどんと遅くなり

[メイン] 前原圭一 : 「へへ……どうした?」

[メイン] 前原圭一 : 「まだ、決着はついちゃいないぜ」

[メイン] 前原圭一 : 「その手に持ったもんを振り下ろすまではな」

[メイン] オビト : 「…………」

[メイン] オビト : 「何故お前はそうまでして未来に希望を持てる」

[メイン] 前原圭一 : 「そんなの、決まってるだろ」

[メイン] 前原圭一 : 「例え罪が消えなくても……例え苦しみが消えなくても……」

[メイン] 前原圭一 : 「一緒に未来を過ごしたい仲間が、いるからだよ」

[メイン] 前原圭一 : 「お前にだって居た」

「いや、まだ居るんだろ?」

[メイン] オビト : 「…………」

[メイン] オビト : そう、まだ1人だけ
仲間と呼んでいた者はいる

[メイン] オビト : 「オレは…そいつが悲しまなくて良い世界を作ろうとしている…だけだ」

[メイン] 前原圭一 : 「ふざけてんじゃねえよ!!!」

[メイン] 前原圭一 : 「お前が本当に仲間の事思ってるんなら!!まず最初にやる事は一つだろ!!!」

[メイン] 前原圭一 : 「顔を見せに行く!!後ろめたいことがあるなら謝る!!気になっていることややりたい事があるなら相談する!!!」

[メイン] 前原圭一 : 「そんな事もせずに、そいつが悲しまなくていいだと!?」

「そいつはお前の顔を見れなくなって悲しんでるかもしれないんだぞ!?」

[メイン] 前原圭一 : 「お前は誰かの為にやってるんじゃねえ」

[メイン] オビト : 「………」

[メイン] 前原圭一 : 「自分が、自分で許せないから」

[メイン] 前原圭一 : 「どっかに消え失せようとしてるだけだ!!」

[メイン] 前原圭一 : 「本当に、本当に誰かの為を思うなら、逃げようとするんじゃねえ」

[メイン] 前原圭一 : 「しっかり向き合って、償うんだよ!!」

[メイン] オビト : 「…………」

[メイン] オビト : 己の能力である神威もまた、結局のところ消え失せようとする現実逃避から成り立つ力だ

[メイン] オビト : そう、わかっているんだ
だから────

[メイン] オビト : ……

[メイン] オビト : 屋上に、鉄の音が一つ

[メイン] オビト : 手元のクナイが、地面に落ち

[メイン] オビト : 「……ああ、そうか」

[メイン] オビト : 「お前は……乗り越えていたのか」

[メイン] オビト : そう言い、少し笑って

[メイン] 前原圭一 : 「……俺だけじゃねえ」

[メイン] 前原圭一 : 「俺の知ってる仲間達は、みんな乗り越えてきた」

[メイン] 前原圭一 : 「それじゃあ……」

[メイン] 前原圭一 : 「アンタがこれから乗り越えられない道理もないだろ?」

[メイン] オビト : ─────どうやら、オレもお前と同じだったみたいだな

[メイン] オビト : 脳裏には、狩人たる獣の女が

[メイン] オビト : 「オレの……負けだ」

[メイン] 前原圭一 : 「……ああ」

[メイン] 前原圭一 : 「オレの……勝ちだ!」

[メイン] オビト : 大の字に倒れるように寝転んで、月を眺めた

[メイン] マクギリス・ファリド : 「圭一君……!」

「君もまたアグニカ……!」

[メイン] オビト : 「……装置の解除については、土から生まれたものとだけ言っておく」

[メイン] 前原圭一 : 「土……?」

[メイン] マクギリス・ファリド : 「なるほど……」

[メイン] マクギリス・ファリド : 「雷、かね?」

[メイン] オビト : 「五行陰陽から導き出したか、答えは是だ」

[メイン] オビト : そして、ゆらりと立ち上がり

[メイン] オビト : 「……オレは、ここに残る。お前達には脱出の方法を教えた」

[メイン] 前原圭一 : 「なんだって?」

[メイン] オビト : 「オレはここに残る」

[メイン] オビト : 「後始末を済ませねばならない」

[メイン] 前原圭一 : 「……分かった」

[メイン] 前原圭一 : 「だけどな!!……それやった後、そのまま死のうなんて考えんなよ」

[メイン] オビト : 「…………」

[メイン] オビト : お見通し、か
だがまあ───そうまでいうのなら

[メイン] 前原圭一 : 「お前の償いは!!その程度じゃ済まねえんだからな!!」

[メイン] オビト : 「……いいだろう」

[メイン] オビト : 「全ての惨劇が終え、全てに光が宿ったその時に」

[メイン] オビト : 「また会おう」

[メイン] 前原圭一 : 「ああ」

「絶対だ!!」

[メイン] オビト : 尤も、その前に死んでいるかもしれんがな

[メイン] オビト : なあ、狩人よ?

[メイン]   : "終われるなぞ、私達のような者には贅沢さ"

[メイン] オビト :

[メイン] オビト : "ああ、そうだな"

[メイン] オビト : "輪廻天生の地獄からはどうにも抜け出せないな、オレも…お前も"

[メイン] :

[メイン] マリア : "ならば足掻くというのを目の前の少年が示していたのだろう、頑固者め"

[メイン] オビト : "…クッハハハハッッ!!だからこそ足掻くのだったな…終わりなきものから終わりを得るために"

[メイン] マリア : "精々生きると佳いさ、まだそこは…"

[メイン] マリア : "悪夢の中ではあるまいて"

[メイン] マリア : そのうち、声は遠く

[メイン] マリア : 悪夢との繋がりも、消えていく

[メイン] マリア : それは、彼の夜明けを迎える故

[メイン] マリア : 月は降り、また歩きだす故──

[メイン] マリア :  

[メイン] マリア :  

[メイン] :  

[メイン] :

[メイン] : こうして一連の殺し合いは

[メイン] : 島に落ちた龍が如き雷光によって

[メイン] : 終末を迎えた

[メイン] :  

[メイン] :  

[メイン] : "君達の自由だ"

[メイン] :  

[メイン] :  

[メイン] :  

[メイン]   :  

[メイン]   :  

[メイン]   :  

[メイン]   : 時は少し、巻き戻る。

[メイン]   :  

[メイン]   :  

[メイン]   :  

[メイン]   : 「雷……」

[メイン]   : 「それで、みんながへいわになるなら」

[メイン]   : 「私は、やってみる」

[メイン]   :  

[メイン]   : 絹のような少女の声が響く、と同時に。

[メイン]   : ドシン。

[メイン]   : 雪のように白く、穢れを知らないような色をした翼。

[メイン]   : ”ヒト”の姿の時と同じ、透き通るような水色の瞳。

[メイン] カンナ・カムイ : ────ドラゴンが、そこに顕現する。

[メイン] カンナ・カムイ : ばさり、翼を大きく広げて

[メイン] カンナ・カムイ : 遠く遠くの彼彼女らを、見つめる。

[メイン] カンナ・カムイ : 今まで関わってきた全ての”人”。

[メイン] カンナ・カムイ : 『悪魔』に『血』を流され『逆襲』しようと願った人たち。

[メイン] カンナ・カムイ : それから、解き放つために────

[メイン] カンナ・カムイ : ────竜は、鳴く

[メイン] カンナ・カムイ : 空に暗雲が立ち込め、ざああと雨粒が地へと堕ちていく。
ごろごろ、雲から雄叫びが響いて。

[メイン] カンナ・カムイ : 放たれる極小に分かれた雷────

[メイン] カンナ・カムイ : ────『麒麟』

[メイン] カンナ・カムイ : 空想の存在、ソレをかたどったものが人々へと降る。

[メイン] カンナ・カムイ : ”竜星群”が。

[メイン] カンナ・カムイ : ただ────”一人”。

[メイン] カンナ・カムイ : ”彼女”へと届かない、その雷は。

[メイン] カンナ・カムイ : 竜は、感じ取ったか否か、果たして。

[メイン] カンナ・カムイ : ぽふりと、竜から人へと堕ちていって。

[メイン] カンナ・カムイ : 力を使った疲れからか、瞼はとうに閉じたまま────

[メイン] カンナ・カムイ : 「ふぁ…」

[メイン] カンナ・カムイ : 「ねむい」

[メイン]   : ────夢へと、落ちる。

[メイン]   :  

[メイン]   :  

[メイン]   :  

[メイン] : りん

[メイン] : りんと

[メイン] : 鐘と、水と

[メイン] : 針の鳴る音と

[メイン] : 歪な底の底、朧げな悪夢が

[メイン] : 此度、重過ぎる程の存在を前に

[メイン] : 主或いは囚人と共に、其処に

[メイン] マリア : 椅子に座り、くたりと

[メイン]   : 上から白いものが落ちてくる。

[メイン]   : ぽふり。

[メイン] カンナ・カムイ : 「ぐぇっ」

[メイン] カンナ・カムイ : 夢の主の前へと、着地。

[メイン] マリア : 「…」
流石に、目を開けて

[メイン] マリア : 「死体漁りかと思えば…」

[メイン] マリア : 「久しい顔だな、竜の娘」

[メイン] カンナ・カムイ : なんだここ……見たことない所だ……
鐘…?なんだかぼんやりしたような場所で……

[メイン] カンナ・カムイ : 「……!」

[メイン] カンナ・カムイ : 「あ、お姉さん」

[メイン] マリア : マリアの背後で、止まった時計塔が確かになりつつ

[メイン] カンナ・カムイ : まさか再会するとは思ってなかった、というようなびっくり顔。

[メイン] マリア : 「よもや、悪夢に堕ちるとは」

[メイン] マリア : 「寝付きが悪いな」
苦笑しつつ

[メイン] カンナ・カムイ : 「むぉん……」
首を傾げつつ。

[メイン] カンナ・カムイ : 「ここは、夢なの?私の…もの?」

[メイン] マリア : 「強いて言うなら」

[メイン] マリア : 「…また別の、神のようなものが見ている悪夢さ」

[メイン] カンナ・カムイ : ……でも確かに、夢だとするなら……さっき落ちてきた時痛くなかったな。

[メイン] カンナ・カムイ : 「神…!はっ……!」

[メイン] カンナ・カムイ : 竜と対峙する、その”上位者”の事を思い出し。

[メイン] カンナ・カムイ : 「じゃあ、お姉さんは…何か悪いことしたの?」

[メイン] マリア : 「…そうさな」

[メイン] マリア : 「逃げたから、かもしれないし」

[メイン] マリア : 「…私の悪事でなかったような気もする」

[メイン] カンナ・カムイ : 囚われていた、という言葉を思い出して。
そういう事したから、こんなぼやぼやしたところに…?

[メイン] マリア : 「気も遠くなる程、古いからね」

[メイン] カンナ・カムイ : 体育座りで、その話を聞いている。

[メイン] マリア : 「…ゴース、或いはゴスム」

[メイン] マリア : 「其れが見る悪夢の中で、色々なことがあった」

[メイン] マリア : 「私の罪も、私の弱さもあったかも知れない」

[メイン] マリア : 「少なくとも、貴殿が見るには悍ましいものがここには多過ぎる」

[メイン] マリア : 「しかし秘密は甘いもの、時としてそれを探ろうという好奇を抱える者もいる」

[メイン] マリア : 「それを斬り捨てる番人が、私なのさ」

[メイン] カンナ・カムイ : 悍ましい、って…怖いって事じゃなかったっけ。
ほへえ。

[メイン] マリア : 腰に下げた落葉を、わざとらしく鳴らして

[メイン] カンナ・カムイ : 「ふむふむ……じゃあ、お姉さんは私を切る?」

[メイン] マリア : 「…いいや」

[メイン] カンナ・カムイ : 「私、お姉さんの秘密、知りたいなって思っちゃったけど」

[メイン] マリア : 「私の秘密など、良いのさ」

[メイン] マリア : 「所詮、秘匿はもう終わっていたのだよ」

[メイン] マリア : 「つい少し前、思い出した」

[メイン] マリア : 「…私は役目を終えていたのさ、とっくに」

[メイン] マリア : 「ゴースはもう死んでいる」

[メイン] マリア : 「その遺子もまた、眠りについた」

[メイン] マリア : 「悪夢は、見るものが消えれば終わるもの」

[メイン] カンナ・カムイ : 「ほえ……」
ぴょこんと座ったまま、難解に思うような話を飲み込む。

[メイン] マリア : 「…故に、私はもう役目を終えていたのだよ」

[メイン] マリア : 「ただ、それでも尚消えていないのは…」

[メイン] マリア : 「…何故だろうな、未練なら確かに山ほどあるが」

[メイン] カンナ・カムイ : このお姉さんは、悪夢と在るって言ってた……
それが消えた、っていってたのに…何でお姉さんはここにいるのかな?

[メイン] カンナ・カムイ : 「あれ…お姉さんにも、わかんないんだ」

[メイン] マリア : 「…ああ」

[メイン] マリア : 「ただ、一つ思うよ」

[メイン] カンナ・カムイ : んーー、と手を顎に付けて考えるポーズ。

[メイン] マリア : ゆらりと立ち上がり

[メイン] カンナ・カムイ : 「! 何か思いついたの?」

[メイン] マリア : 「死しているより、有為だった」

[メイン] マリア : 「少なくとも、世は多少は明るくなっていたらしい」

[メイン] マリア : 「永らく生きて、初めて…」

[メイン] マリア : 「少し、清々しい」

[メイン] マリア : ごん、と

[メイン] マリア : 時計塔の鐘が鳴る

[メイン] カンナ・カムイ : 「清々しい……」

[メイン] カンナ・カムイ : 「……じゃあお姉さんは、何か…頑張ったんだね!」

[メイン] カンナ・カムイ : 「私も頑張ったから、いっしょ!」

[メイン] カンナ・カムイ : 鐘の音とたまたま、立ち上がるタイミングが重なり。

[メイン] マリア : 「そうらしい」

[メイン] マリア : 「…そうさな」

[メイン] カンナ・カムイ : ふんす、と自慢げに胸を張っている。

[メイン] マリア : 「一つ仮説を、尤も証明はないが」

[メイン] マリア : 「…悪夢を見るのは、神だけではないだろう?」

[メイン] マリア : 三角帽を、被り直してカムイに向き直す

[メイン] マリア : 「そして…ああ」

[メイン] マリア : 「そろそろ目覚めようと、思うよ」

[メイン] マリア : 「…もう、そんな時間だろう?」

[メイン] カンナ・カムイ : 「……神以外……」
はっ、もしかして……!私が、見れたから……

[メイン] カンナ・カムイ : そのマリアの言葉に、時計台の針を見る。

[メイン] カンナ・カムイ : ……わからん。

[メイン] カンナ・カムイ : 「そう、かも……?時計は、なんて言ってるの?」

[メイン] カンナ・カムイ : 時計へと指をさして、マリアへと尋ねる。

[メイン] マリア : 「…ふふ、この時計か」

[メイン] カンナ・カムイ : こくり、と頷く。

[メイン] マリア : 視線を向けて、ふと思い出して

[メイン] マリア : 星見の盤を、取り出し

[メイン] マリア : 「…少なくとも、指し示しているのは」

[メイン] マリア : 「"導き"さ」

[メイン] カンナ・カムイ : 「………」

[メイン] マリア : 長い針は、ゆっくりと

[メイン] マリア : 二時を指して、止まり

[メイン] カンナ・カムイ : 「むつかしい、けど」

[メイン] マリア : 仕掛けが開いて、時計の元に扉が一つ

[メイン] マリア : 「…ああ」

[メイン] カンナ・カムイ : 「あとちょっとしか時間はない…感じはする!」

[メイン] カンナ・カムイ : なんだか、ここに来た時より……意識がはっきりしてきている…ような。
あの針も、止まってしまったし。

[メイン] マリア : 「ふふ、そうとも言えるか」

[メイン] マリア : 「なら…」

[メイン] マリア : 「目覚めよう、尚更ね」

[メイン] マリア : かつかつと

[メイン] マリア : その扉の前に立ち

[メイン] マリア : カンナに手を向ける

[メイン] カンナ・カムイ : 「……!」

[メイン] カンナ・カムイ : 「そのまえに、ふたつ」

[メイン] カンナ・カムイ : 手を向ける彼女に、2本指を立てる。

[メイン] カンナ・カムイ : 「ひとつ!私の名前はカンナ・カムイ!竜!」

[メイン] カンナ・カムイ : ちらっと、マリアへと目を向けて。

[メイン] マリア : 「…」
少し目を見開いて、微笑み

[メイン] マリア : 「マリア、ただのマリアさ」

[メイン] マリア : 「そう…人間として生まれた、マリアだ」

[メイン] カンナ・カムイ : 「マリア、マリア……」
……うん、覚えた!人間の、マリア…!

[メイン] カンナ・カムイ : 「うん、じゃあ…マリア」

[メイン] カンナ・カムイ : 青色の目を、ゆっくりとマリアへと向けて。

[メイン] カンナ・カムイ : 「ふたつ、目覚めるまで……」

[メイン] カンナ・カムイ : ぽふん、と。
カンナの手に煙が包まれて。

[メイン] マリア : 「おや」

[メイン] カンナ・カムイ : 左手にはご飯いっぱいの茶碗。

[メイン] カンナ・カムイ : 右手には二組の箸。

[メイン] カンナ・カムイ : 「いっしょに、ご飯を食べよう」

[メイン] カンナ・カムイ : にこり、と笑いかけて。

[メイン] カンナ・カムイ : 獣は、基本弱肉強食だ。
他者に食べ物を分け与えることなど、する獣は少ない。

[メイン] カンナ・カムイ : 食べ物を分け与え、それを”温かい”と感じる事が出来るのは。

[メイン] カンナ・カムイ : ────”人間”の特権だ。

[メイン] マリア : 「…まったく、夢の中でまで腹拵えとは」

[メイン] マリア : 「幸せな"夢"を見る物だよな」

[メイン] マリア : とは、言いつつ

[メイン] マリア : 確かに、受け取って

[メイン] カンナ・カムイ : 「……ごはん、きらい……? ……!」

[メイン] カンナ・カムイ : 受け取ってくれたことに、ぱぁっと顔を輝かせて。

[メイン] マリア : 「…好きさ、ただ」

[メイン] マリア : 「久しいだけだよ」

[メイン] カンナ・カムイ : 「それじゃあ、もっとご飯がおいしく感じられるはず!」

[メイン] カンナ・カムイ : じゅるり、口から涎を垂らしつつ。

[メイン] カンナ・カムイ : ……久しぶりのごはんってことは、すっごくおいしくって…気絶しちゃうんじゃないかな…?
あ、でも…ここは夢か、夢の中で気絶したら…どうなるんだろう…?

[メイン] マリア : 「…ところで」

[メイン] カンナ・カムイ : 「?」

[メイン] マリア : 「これはどう使うんだ?」
2本の棒を怪訝そうに見る

[メイン] カンナ・カムイ : 首を傾げ、涎を垂らしながらマリアへと向ける。

[メイン] カンナ・カムイ : 「……はっ!マリアは、箸を知らないの…!?」

[メイン] マリア : ふふふ、と笑い

[メイン] カンナ・カムイ : 生まれは異世界だが、日本で育ったので箸はそこそこ使えるカンナ。
かるちゃーしょっく。

[メイン] マリア : 「やはり、夢だよなあ」
可笑しそうに笑いつつ

[メイン] マリア : 「知らぬ物を見るなど、あってたまるかよ」

[メイン] マリア : 「…よし、決めたよ」

[メイン] マリア : 「まずはそれを、教わろう」

[メイン] カンナ・カムイ : 箸を見つめていたが、その言葉にマリアへと顔を向ける。

[メイン] マリア : 「目覚めたら、確かめたくなった」

[メイン] マリア : 「…それまでは、こうさせてくれ」

[メイン] マリア : ぽん、と

[メイン] カンナ・カムイ : 「……! 教える教える!」

[メイン] マリア : スプーンとフォークを出して

[メイン] カンナ・カムイ : 「おおっ」

[メイン] マリア : 「…慣れているのはこちらなのでな」

[メイン] カンナ・カムイ : その様子に、ほっぺに手を当てながら驚いている。

[メイン] カンナ・カムイ : 「あれに慣れてるなんて…がいこくのひとだ…!すごい…!」

[メイン] マリア : 「この白い物も、名前とか教わるつもりだ」
丁寧に、ライスを纏めて

[メイン] マリア : 「…私からすれば貴殿が異邦なのだがね」
またくすりと笑いつつ

[メイン] カンナ・カムイ : 「うん、知らないことも……起きたら沢山教えてあげる!……む、確かに…」

[メイン] カンナ・カムイ : その笑いに、ふむむと声を挙げつつ。

[メイン] カンナ・カムイ : 「なら…私も、マリアの文化も教えてほしい!なんか…あたらしいもの!」

[メイン] カンナ・カムイ : 「そしたら、いほうとか、いぶんかではない…はず!」

[メイン] マリア : 「新しい物か、古狩人に無理を言う…」

[メイン] マリア : 「まあ…そうさな」

[メイン] マリア : 「…一つ一つやり直そう、それも悪くない」

[メイン] マリア : 「見るべき物だらけなのだから、ね」

[メイン] マリア : ぱくりと、まとめたお米を口に運び

[メイン] マリア : 「…おいしい」
にこりと

[メイン] カンナ・カムイ : 同じようにご飯を箸でまとめて。

[メイン] カンナ・カムイ : かつかつと、箸で口に運ぶ。

[メイン] カンナ・カムイ : 「私も、おいしい!!」

[メイン] カンナ・カムイ : にかっと、笑う。

[メイン] マリア : 「…良い物を食べて、良い夢を見る」

[メイン] マリア : 「それは多分、幸せなのだろう」

[メイン] マリア : カンナの姿を見ながら、そう呟いて

[メイン] カンナ・カムイ : 「マリアも、幸せそうな顔してるから…たぶんそう!」

[メイン] カンナ・カムイ : 彼女にこっとした顔に、そう感じる。

[メイン] マリア : 「…今確信したよ」
そう言って、カンナに手を伸ばし

[メイン] マリア : そのまま、ゆっくり撫でて

[メイン] マリア : 「…そうしてやりたかったな、奴らにも」
少し、苦く笑い

[メイン] カンナ・カムイ : 「むぁああん」
撫でられ、気持ちよさそうな声を上げて。

[メイン] カンナ・カムイ : 「ちょっとくすぐったいけど、うれしい」

[メイン] マリア : 「…なら佳い」

[メイン] マリア : そのまま、ご飯も食べ終えて

[メイン] カンナ・カムイ : 「ふぅ」
食べ終えたお腹を撫でながら。

[メイン] マリア : 「悔いはあるし、やっぱり未練もあるが」

[メイン] カンナ・カムイ : 「うんうん」

[メイン] マリア : 「…終えるよ、踏ん切りがついた」

[メイン] カンナ・カムイ : 「……起きるの?」

[メイン] カンナ・カムイ : 目線は、先ほど現れた扉へ。

[メイン] マリア : 「ああ」

[メイン] マリア : 「貴殿も起きると良い」

[メイン] マリア : 「夢は終わりだ」

[メイン] マリア : 「…知っているか?」

[メイン] カンナ・カムイ : 「そっか、終わりか…」
けれどなんだか、満足感は沢山ある。

[メイン] カンナ・カムイ : 「うん?」

[メイン] マリア : 「一説には、夢は記憶した事柄を整理する役目があるらしい」

[メイン] マリア : 「…随分と長く、整理する事になったが」

[メイン] マリア : 「この夢は、もう終わるべきだろう」

[メイン] マリア : 「そして…そうさな」

[メイン] マリア : 「見せて欲しいと言うべきか」

[メイン] マリア : 「…私は、新しい事柄を見た」

[メイン] マリア : 「貴殿も、可笑しな連中も、美味しいご飯も」

[メイン] マリア : 「だがね、夢で見るには惜しいから」

[メイン] カンナ・カムイ : 新しい事柄……ご飯のこととか、箸とか…色んなものかな?
それなら、見せれられてよかった…!

[メイン] マリア : 「どうか、覚めた瞳で見せておくれ」

[メイン] カンナ・カムイ : 「わかった!」

[メイン] マリア : 「そして、また夢を見て」

[メイン] マリア : 「記憶しよう、確かに」

[メイン] カンナ・カムイ : ふんふん、自信満々な瞳でそう言って。

[メイン] カンナ・カムイ : 「うん、夢でも…現実でもどっちでも大丈夫」

[メイン] カンナ・カムイ : 「また、遊ぼうね!」

[メイン] マリア : 「…楽しみにしておくよ」

[メイン] マリア : そう言って

[メイン] マリア : 扉に足をかけて

[メイン] マリア : 光の中に、溶けていく

[メイン] カンナ・カムイ : 体は、光の粒子へと変わっていく

[メイン] カンナ・カムイ : 「わわわっ」

[メイン] カンナ・カムイ : そして最後まで、踏ん張って扉へと手を振って。

[メイン] カンナ・カムイ : ──"主"の居なくなった夢は、消えた。

[メイン] マリア :  

[メイン]   :  

[メイン] マリア? : 「  様、おかしなことを聞いて宜しいでしょうか」

[メイン] マリア? : 「…私は、どこか変わりましたか?」

[メイン] マリア? : 「…」

[メイン] マリア? : 「先ほど感じられたのです、私のどこかで、どこか中で、重い枷がはずれるのを」

[メイン] マリア? : 「不思議ですね、元より、私のどこにも、枷などありませんでしたのに」

[メイン] マリア? : くす、くす…

[メイン] :  

[メイン] :  

[メイン] :   

[メイン] : そんな、現実ではありえないような、ファンタチックな空想。
形容するなら。

[メイン] : ───『狩人は、電気竜の夢を見るか?』

[メイン] :  

[メイン] :  

[メイン] :  

[メイン] アスラン・ザラ :

[メイン] アスラン・ザラ :

[メイン] アスラン・ザラ :

[メイン] アスラン・ザラ : 久しく見る青い空
俺達があの空間に閉じ込められている間、全てはもう終わったらしい

[メイン] アスラン・ザラ : 「……困ったな……あいつら、無茶してないだろうか」

[メイン] 両儀式 : ふらふらとした足取りで手を引かれて外へ出る

[メイン] 両儀式 : 「……此処何処だ?」

[メイン] アスラン・ザラ : そう聞かれて辺りを見回す

[メイン] アスラン・ザラ : 「……確かに」

[メイン] アスラン・ザラ : 随分と様変わりしたな……
荒れている それに、あいつらも何処にもいない

[メイン] アスラン・ザラ : 「……困ったなぁ」

[メイン] 両儀式 : 「困った、って」

[メイン] アスラン・ザラ : 「殺し合いは終わったのに俺たちの戦いはまだ続くらしい」

[メイン] アスラン・ザラ : 「相手はこの広い島そのものだ あいつらに合流するためにあてもなく歩くしかない」

[メイン] 両儀式 : 「はぁ……?」

[メイン] 両儀式 : 呆れたように肩を落として
そのまま膝をつく

[メイン] アスラン・ザラ : 「お、おい大丈夫か?」

[メイン] 両儀式 : 「大丈夫じゃないな」

[メイン] 両儀式 : 「どっかの誰かさんが散々いたぶってくれたおかげで」

[メイン] アスラン・ザラ : そう言われると反論できない
困り顔で頭を掻く

[メイン] アスラン・ザラ : 「……じゃ、じゃあ、背負っていくか?」

[メイン] 両儀式 : 「……お前が?俺を?悪い冗談だ」

[メイン] アスラン・ザラ : 困ったな……

[メイン] アスラン・ザラ : 可愛い後輩に似た声をしているが
まるで似ても似つかないな

[メイン] 両儀式 : 「まあ……それしかないなら、そうする、か……?」

[メイン]   : ……向こう側から、大きな足音が聞こえてくる

[メイン] アスラン・ザラ : 「?」

[メイン]   : それは、二人に段々と近づいて

[メイン] ナイト・オブ・ゴールド : そのまま 膝を立てて二人へ手を伸ばす

[メイン] アスラン・ザラ : 「……あの時のモビルスーツ?」

[メイン] 両儀式 : 「迎えに来た……のか、オマエ」

[メイン] ナイト・オブ・ゴールド : 頷くように首を上げて

[メイン] アスラン・ザラ : 「乗れということか」

[メイン] ゴース : 「ごぉーす(KOGからちらりと顔を出す)」

[メイン] 両儀式 : 「あんときの毒ガスオバケ」

[メイン] アスラン・ザラ : 「ゴース、お前も来てたのか……」

[メイン] アスラン・ザラ : 差し出された手に脚を乗せて

[メイン] アスラン・ザラ : 「……このモビルスーツ、名前は?」

[メイン] 両儀式 : それを聞いて、笑う

[メイン] 両儀式 : 「モビルスーツじゃない。モーターヘッドだ。そう呼ぶらしい」

[メイン] 両儀式 : 「名前は……」

[メイン] ナイト・オブ・ゴールド :

[メイン] 両儀式 : 「……だ」

[メイン] アスラン・ザラ : 「そうか」

「覚えた」

[メイン] アスラン・ザラ : 彼女の手を引いて手へと乗せる

[メイン] 両儀式 : 「っと」

[メイン] 両儀式 : 二人は纏めて操縦席へと

[メイン] アスラン・ザラ : 乗り込んで、座席へ
彼女は俺の上へ

[メイン] アスラン・ザラ : 「……なあ、君妹居たりしないか?」

[メイン] 両儀式 : 「急にどうした」

[メイン] アスラン・ザラ : 「いや……何だか、この体制で君の妹とモビルスーツに相乗りした気がしてな」

[メイン] 両儀式 : 「は……はぁ……」

[メイン] 両儀式 : 「オマエ……やっぱ、莫迦だろ」

[メイン] アスラン・ザラ : 「……そう、だな」

[メイン] アスラン・ザラ : 俺も、また

[メイン] アスラン・ザラ : バカヤロウ、か

[メイン] アスラン・ザラ : その機体を歩かせて、少しの間の旅に出る

[メイン] 両儀式 : 『空』っぽのその島を、黄金の騎士が歩き出す

[メイン] アスラン・ザラ : 打ち破った『運命』から、一歩踏み出すための

[メイン] アスラン・ザラ : 『最後の力』

[メイン] アスラン・ザラ :

[メイン] アスラン・ザラ :

[メイン] アスラン・ザラ :

[メイン] 前原圭一 :

[メイン] 前原圭一 :

[メイン] 前原圭一 : ……殺し合いは、終わった

[メイン] 前原圭一 : あんなに激しく戦って
死が間近に迫ったっていうのに

[メイン] 前原圭一 : ……集められた人達は誰も死ななかった

[メイン] 前原圭一 : 誰も、欠けなかった

[メイン] 前原圭一 : あの時の、『祭囃し』と同じように

[メイン] 前原圭一 : ……ここから帰ったら、皆どんな反応をするだろうか
言ったところで信じてくれるだろうか

[メイン] 前原圭一 : 帰ると言えば、アスランは何処に帰るんだろう
アスランだけじゃない
マクギリスさんやルシード、皆には

[メイン] 前原圭一 : 帰る場所はあるんだろうか

[メイン] 前原圭一 : ……いや
きっと 帰れる場所がなくたって

[メイン] 前原圭一 : 『行くべき』ところは、あるんだろ?

[メイン] 前原圭一 : 例えば……

[メイン] 前原圭一 :

[メイン] 前原圭一 :

[メイン]   :

[メイン]   :

[メイン]   : 男は親友を失いました。
夢と呪いが残りました。

[メイン]   : 男は大切な人を失いました。
力と無念が残りました。

[メイン]   : 男は大切なものを背負うことができました。
残ったものが支えになったからです。

[メイン]   : ━━ Frederica Bernkastel

[メイン]   :

[メイン]   :